飲食店の経営において、集客を安定させることは重要な課題のひとつです。飲食業界はトレンドの移り変わりや競争が激しいため、安定した集客の維持に困難を感じている担当者も多いでしょう。
飲食店での集客を成功させるためには、対象顧客のニーズに応える施策の企画や、それに伴う市場動向や顧客需要の適切な分析が求められます。さらに、集客施策に面白みのあるアイデアを加えることで、競合との差別化を図ることもできるでしょう。
本記事では、飲食店の集客成功のポイントや具体的な集客方法について解説します。さらに、集客に活用できる面白いアイデアや成功事例も紹介しますので、参考にしてみてください。
飲食店の集客を成功させる3つのポイント
競合が多い飲食業界において、集客を成功させ維持するのは難しい課題のひとつでしょう。飲食店における集客を成功させるためには、3つのポイントを押さえたうえで施策を検討することが大切です。
SNSやチラシ配布などの思いつく集客施策をとりあえず実行していくと、お店のコンセプトに合う対象顧客層に届かない可能性も高いため、あまりおすすめできません。ここで紹介するポイントを参考に、集客施策の企画・立案を検討してみてはいかがでしょうか。
ポイント1.コンセプトに合う対象顧客を明確にする
飲食店の集客を増やすポイントは、お店のコンセプトに合う顧客層を明確にすることです。お店のコンセプトやこだわりに興味・関心が高い顧客層を明確化し、対象顧客のニーズに合う施策を実行することで、狙った顧客層の集客につながりやすくなります。
対象顧客を明確化するには、お店のコンセプトや強みを言語化しながら、顧客層について検討を進めていくのがおすすめです。言語化した内容を整理し、具体的な顧客層に落とし込む際には、思考の整理に適したフレームワークを活用しながら進めるのもよいでしょう。
一時的に集客が増えても、お店のコンセプトに合わない顧客層が多い場合は、継続的な集客につながりにくくなります。中長期的な集客につなげるためには、お店のコンセプトに合う対象顧客の集客を着実に増やすことが大切です。
ポイント2.各対象顧客向けの集客施策の企画・立案をする
集客施策を企画・立案するうえで大切なのは、顧客層のニーズや需要に合った施策内容を用意することです。
新規顧客を対象とした施策であれば、まずは、お店のコンセプトやこだわりがわかりやすい施策にし、認知につなげる必要があります。実際にお店で提供しているメニューの試食会や、お店のコンセプトに合うイベントへの出店などもおすすめです。新規顧客の認知拡大におすすめの告知方法は、プレスリリースの配信やチラシ配布、広告などがあります。特にプレスリリースの配信は、幅広い顧客層にアプローチできるだけでなく、メディアなどから注目されるきっかけにもなり得るため、積極的に活用しましょう。
既存顧客の場合は、リピート率を上げる施策内容にすることが大切です。LINE公式アカウントやメールマガジンなどを活用し、限定クーポンを配布したり、限定メニューの試食が特別にできるなどの特典を付与するのが有効でしょう。しばらく来店がない既存顧客には、新メニューに使える割引クーポンなどを配布することで来店動機を促すことが大切です。
ポイント3.市場動向・顧客の需要を分析する
食への需要やニーズは、変化が激しい傾向にあります。集客を成功させるには、市場全体の動向や、対象顧客の需要を正しく分析し理解しておくことが大切です。特にコロナ禍以降は、飲食業界全体の需要やニーズが大きく変化しました。
店内の感染対策や清潔感、外食だけでなくテイクアウトやデリバリーなどへの需要やニーズの増加を考慮したお店づくりや、施策内容の実施が重要視されています。
飲食市場全体の動向を把握し、飲食店での集客課題の解決や施策を検討する際には、経済産業省の「飲食関連産業の動向」や日本フードサービス協会の「外食産業市場動向調査」などが参考になります。
さらに、顧客へのアンケート調査なども定期的に実施することで、市場全体の動向と顧客の需要やニーズの変化にいち早く対応できるでしょう。
飲食店の集客に使える面白いアイデア7選
飲食店の集客を増やすためには、面白いアイデアや、独創性を感じるアイデアの要素を施策に加えるのがおすすめです。
よくある施策の中に新規性を少し加えるだけで、興味や関心を引きやすい施策内容になることがあります。ここでは、集客施策の企画の際に参考になる、面白いアイデアや新規性の高いアイデアを7つご紹介します。
1.目をひく店内装飾や料理
お店のコンセプトがしっかり伝わる料理や店内装飾にこだわることで、狙った顧客層の興味や関心をひき、集客アップにつながった事例です。
株式会社エー・ピーホールディングスでは、「目に楽しく食べて感動」を体現した名物メニューや変わり寿司など、目をひく料理を提供しています。さらに、見た目だけでなく質の高いネタをお手頃価格で提供することで、競合との差別化も図りながら、対象顧客とする地域住民が利用しやすい店づくりにしています。
店舗空間プロデュースを手がけている株式会社スパイスワークスホールディングスに依頼した、こだわりの店内装飾も同店のポイントです。
見た目や価格だけでなく、店内装飾にもこだわることで、競合との差別化に成功している事例といえるでしょう。
参考:庶民的なのに本物、本物なのにリーズナブルを叶えた“進化系”スシ酒場「スシとツマミ シチフク」が口福を携えて10/14㊍新浦安にグランドオープン!
2.産地直送のこだわり食材
お店のコンセプトやこだわりが感じられる厳選素材を使用し、期間限定メニューを取り入れた集客施策です。北海道のこだわりの食材を使った飲食店を経営する、株式会社イーストン。北海道の漁師から直送のカキとホタテをふんだんに使用した限定メニューは、ALL JAPANナチュラルチーズコンテストで優秀賞を受賞した、小林牧場のブルーチーズとコラボレーションしているのも特徴です。
生産者から直接仕入れているこだわり食材に他社の人気食材を加え、コラボレーション要素も取り入れたことで、対象顧客に限定メニューのさらなる特別感を与える施策といえるでしょう。
こだわり食材や珍しい食材を扱う飲食店にとって参考になる事例です。
参考:【北海道の美味しい冬がやってきた!】漁師から直送!!サロマ湖産カキ、常呂産ホタテを使った厳選素材を贅沢に使った期間限定メニューを北海道イタリアン ミアボッカで楽しもう!
3.テイクアウト
コロナ禍でリモートワークが増えたことで、テイクアウトやフードデリバリーの需要が一気に加速しました。コロナ禍後の出社率が戻った現在では、共働き世帯などを中心に、テイクアウトやフードデリバリーの需要は継続し続けています。
INTERSECT BY LEXUS – TOKYOでは、自宅でも外食と同様のラグジュアリーなクリスマスディナーが食べられるように、贅沢ビスク鍋を提供。同テイクアウトサービスでは、オマール海老やクエなどの高級食材が入ったビスク鍋を、鍋ごと提供するという新規性の高い提供スタイルが特徴的です。
同サービスでは、市場動向や顧客需要に応えたテイクアウトメニューの提案とともに、新規性の高い提供スタイルがポイントの好事例といえるでしょう。さらに、テイクアウトにおいての課題でもある冷めた料理の再現性の難しさを、鍋ごと提供することで温め直して美味しく食べられるという課題解決性の高さも魅力です。
参考:オマール海老やクエが入った贅沢ビスク鍋を鍋ごとテイクアウトで提供 INTERSECT BY LEXUS – TOKYO「クリスマステイクアウトメニュー」 11月30日(火)より予約開始
4.コラボレーション
新たな顧客層の開拓や、既存顧客へのニュース性を提供するのに有効なのがコラボレーション企画です。
株式会社トレンドファクトリーが手がける元祖ロールアイスクリーム専門店では、2021年9月25日より人気TVアニメ「ラブライブ!スーパースター!!」とのコラボレーションメニューの販売を開始しました。
キャラクターをイメージしたメニューだけでなく、オリジナルグッズなども同時販売し、話題性の高い企画といえます。さらに、期間内であればいつでも商品と引き換えができる方法を採用し、引換券も販売。話題性の高さだけでなく、「アイスを一度にたくさん食べるのが難しい」という商品が持つ懸念点を、期間中の継続的な集客につなげるというメリットに変換できた点も、参考にしたいポイントといえるでしょう。
コラボレーションメニューなどを検討しているお店は、ぜひ参考にしてみてください。
参考:現在放送中のTVアニメ『ラブライブ!スーパースター!!』とのコラボ決定!「ロールアイスクリームファクトリー」が全国8店舗で開催!
5.SDGs観点の集客施策
飲食業界におけるSDGs取り組みの必要性は、年々高まっています。日本発のフードテックベンチャーであるネクストミーツ株式会社では、SDGsの一環でもある代替肉分野において、日本企業で初めて世界最大級のテクノロジー見本市「CES2022」に出展。SDGsへの取り組みをフックとした集客施策を実施しました。
出展時には、現地の様子をオンラインでチェックできるよう現地会場とオンライン中継をつなぎ、新規顧客やメディアへの認知拡大も図っています。
同展では、代替肉のサンプリングだけでなく、アメリカでラーメンバーガーの開発に成功したシェフとの特別コラボレーションも実施。代替肉を使用した「ラーメンバーガー」も提供するなど、話題性のある企画を同時に実施した点もポイントといえるでしょう。
同社の世界的な認知拡大にもつながる集客施策は、国外での集客も視野に入れているお店や、SDGsへの取り組みを強化したいお店にとって参考になる事例です。
参考:【代替肉分野で日本企業初】世界最大級の展示会「CES2022」にネクストミーツが出展
6.季節に応じたプラン
シーズンイベントに合わせたプランや旬の食材を使用した限定メニューなど、季節にちなんだプランの提供は定期的なニュース性につながるため、飲食店にとって大切な取り組みです。
例えば、春に旬を迎える食材である「イチゴ」を使用した限定デザートの提供や、クリスマスシーズンにクリスマス限定ディナープランなどを企画することで、季節性のあるニュースを提供できます。
季節に応じたメニューやプランの提案は、新規顧客の獲得だけでなく、既存顧客やしばらく来店のない顧客の再来店促進にもつながりやすくなるでしょう。
以下の記事では、飲食店におすすめの季節に合わせたPR施策のアイデアを月別に紹介しています。一般的なシーズンイベントが少ない月こそ、面白みのあるオリジナルプランを企画し、競合との差別化を図ってみてはいかがでしょうか。
7.イベントの開催
食に関連するイベントへの出展や、独自イベントの開催もおすすめです。独自のイベントであれば、参加顧客との関係性が深まりやすく、リピート率向上などにつながりやすくなるでしょう。さらに、参加した顧客同士のコミュニティが生まれることもあり、そこから新規顧客の紹介などにつながることも考えられます。
お店のコンセプトに合ったイベントへの出展は、新規顧客の獲得につながりやすくなります。オンラインストアなども展開している飲食店では、あえて店舗所在地と離れた場所で開催するイベントに出展するのもおすすめです。遠隔地に住む顧客層への認知を広げることで、オンラインストアへの集客につながる可能性が高まるでしょう。
イベントへの出展や開催は、集客につなげたい顧客層に合った方法で企画や参加を検討することが大切です。
参考:初出店!アールグレイ専門店が作る丹波和栗のプレミアムモンブランを10月27日(水)~11月8日(月)までの期間限定で丸井今井札幌本店で開催される催事「第128回 全国うまいもの大会」にて実演販売
飲食店で集客を行う手順をステップに分けて紹介
ここからは、飲食店で集客を行う手順を紹介します。ステップ1~3にまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
STEP1.店舗の現状を可視化する
集客に取り組む際には、数値化・言語化した店舗の状況を可視化することが大切です。現状を可視化することで、集客課題について深く掘り下げた検討がしやすくなるメリットがあります。可視化する際には、以下の項目について確認しましょう。
- 顧客層ごとの集客状況を数値化
- 集客できている時間帯や曜日の可視化
- メニューごとの注文率の洗い出し
- 環境要因の洗い出し
まずは集客状況について、顧客層ごと(新規顧客・既存顧客)と、曜日や時間帯別の状況を可視化・言語化していきましょう。数値化する集客データは、1年間・半年・3ヵ月などの期間ごとに算出すると、集客状況の変化がわかりやすくなります。
顧客層別の集客状況が見えたら、メニューごとの洗い出しも必要です。メニューの洗い出しの際は、「過去1年間の注文率が◯%以下のメニューは精査対象」などと、精査基準を設けておきましょう。基準があることで、適切なタイミングでのメニュー内容の検討ができ、コストの最適化にもつながります。
現在の立地や出店エリアの客層、競合店の状況についても洗い出しましょう。立地が駅付近なのか住宅街なのか、出店エリアに多い層が主婦層かビジネスマンなのかなどについても可視化します。客層に関してはさらに踏み込み、年齢層や子ども連れの割合なども見ておくとよいでしょう。
STEP2.集客戦略の企画・立案
可視化した店舗の現状をもとに、集客戦略の企画・立案を行いましょう。集客戦略の企画・立案のポイントは、足りない顧客層に対しての戦略と、集客を維持させるべき顧客層への戦略をセットで検討することです。
増やしたい顧客層への施策のみになると、現在集客できている顧客層に対しての施策が滞りやすくなり、結果的に集客できていた顧客層を減少させる懸念があるため、注意しましょう。
集客戦略においては、ステップ1で可視化した各メニューの注文率などをもとに、新メニューや期間限定メニューなどの企画・立案も必要です。ただし、現在提供しているグランドメニューの注文率がそれほど悪くない場合には、無理に差し替えを進める必要はありません。期間限定メニューの追加や、コラボメニューの企画などでメニューにイベント性を持たせるとよいでしょう。
また、環境要因を考慮した戦略内容にすることも大切です。住宅街に立地している店舗が、平日昼間のランチタイムの集客が伸びない課題を解決する場合、フードデリバリーやテイクアウトを実施し、販路拡大を図るのもおすすめです。立地や対象エリアにいる客層などを変えることは難しいため、懸念点をメリットに変える戦略にする必要があるでしょう。
STEP3.戦略の実行・改善
集客戦略を実施したら、効果測定を行い、改善ポイントを検討することが重要です。まずは、実施後の集客状況の変化を可視化・言語化して振り返りを行いましょう。集客したい顧客層が増えているか、集客を維持したい顧客層は減っていないかなど、実行した戦略内容に沿って効果測定を進めていきます。
集客状況に改善が見られない場合には、要因の検討が必要です。検討するポイントは、戦略実行時のオペレーションと顧客の感想です。戦略内容が良かった場合でも、人員不足などによりオペレーションに問題がある場合、客の回転率などにも影響するため、十分な効果を得られない可能性が高くなります。
オペレーションに問題がない場合には、顧客の感想を調査しましょう。LINE公式アカウントやSNS、メールマガジンなどを活用し、アンケート調査を実施するのもおすすめです。アンケートの回答率を上げるため、回答した方に向けた特典も用意するとよいでしょう。アンケート結果から施策内容のどこに課題があったのかを分析すれば、次回の企画での改善点が明確化します。
飲食店が実施したいオンラインでの集客方法5選
ここでは、飲食店におすすめのオンラインによる集客方法を紹介します。オンライン集客には、コストをかけず無料で運用できるものが多いのが特徴です。さらに、適切な方法で継続的に運用することで効果が出る方法も多いため、集客方法の特性を理解して活用しましょう。
公式ホームページの運用
画像や動画をはじめ、独自のコンテンツを自由に掲載できる公式ホームページは、お店のコンセプトやこだわりなどを表現しやすいのがメリットです。さらに、SNSやMEO対策の誘導先などとしても活用できるため、運用しておくことで自社の集客力アップにもつながります。
公式ホームページを運用するうえで大切なポイントは、適切なSEO対策と定期的なコンテンツ更新で、検索エンジンでの上位表示を狙うことです。
SEO対策のポイントは、適切なキーワード選定です。キーワード選定の際は、検索ボリューム数を目安のひとつにするとよいでしょう。一般的に、検索ボリュームが1000以下のものをスモールキーワード、5000以上のものをビッグキーワードといい、ビッグキーワードになるほど競合記事数が多くなります。スモールキーワードを選ぶことで競合数が少なくなり、検索結果でも上位表示を狙いやすくなるでしょう。
また、定期的なコンテンツ更新も重要です。コンテンツ更新とは、新規の記事を公開することと、過去の記事をリライトすることを指します。公開した記事は、目安として3〜6ヵ月後にリライトし、情報更新を行いましょう。定期的なリライトにより、Googleに質の高いコンテンツだと認識されやすくなり、上位表示の可能性が高くなります。
SNS運用
気軽に始められるSNSは、取り入れやすい集客方法のひとつです。アカウント開設費用や運用費用もかからないため、コストをかけずにお店の情報を配信できるのが最大のメリットでしょう。
飲食店の集客におすすめのSNSは、以下の4つです。
- X(旧 Twitter)
- LINE公式アカウント
InstagramやFacebookは視覚的アプローチに有効なツールで、画像や動画を手軽に掲載できるのが魅力です。ビジネスアカウントにしておくことでインサイト機能の活用ができるため、投稿内容やフォロワーの分析ができます。使い分ける際には、顧客層が30代以上の場合や、ビジネス目的での利用者増を狙いたい場合にはFacebookに注力するのがおすすめです。
X(旧 Twitter)は、拡散力が魅力です。記載できる文字数が全角で140文字以内のため、キャンペーンなどのお得情報や新メニュー発売など、端的に内容を告知するのに向いています。LINE公式アカウントは、リピーターの育成に最適な集客方法のひとつです。LINEは幅広い年齢層が利用しているツールのため、SNSを活用していない世代への集客にもよいでしょう。
SNSは手軽なうえに大きなコストもかけずに運用できますが、短期的な集客効果は得られにくいため、長期的にコツコツ運用を続けることが大切です。
プレスリリースの配信
プレスリリースの配信は、店舗のコンセプトや強みを多くの方に知ってもらえるきっかけづくりとしても有効です。潜在顧客の認知のきっかけになりやすいため、新規顧客を増やしたいお店におすすめの集客方法のひとつです。
期間限定メニューやイベントの案内、新メニューの提案など、配信内容によっては既存顧客や休眠顧客の掘り起こしにもつながるでしょう。また、プレスリリースの配信がきっかけでメディアに取り上げられれば、競合店舗との差別化につなげることもできます。
集客を増やすために有効なプレスリリースは、お店の基本的な情報を過不足なく記載することはもちろんですが、話題性や季節性などのニュースバリューが盛り込まれていることも大切です。さらに、お店のコンセプトやオープンに至るまでのストーリーなど、顧客の共感や関心をひく内容を記載するのもよいでしょう。
メールマガジン
メールマガジンは、既存顧客のリピート率を上げるのに有効な集客方法のひとつです。配信者がお知らせしたい内容を直接顧客に届けられるうえ、配信先のセグメントもできるため、顧客の属性や来店頻度などに合わせて配信内容を変えられるのも魅力でしょう。
メールマガジンは、定期配信することで顧客の囲い込みにもつながりやすくなるため、配信漏れを防げるステップメール機能の活用もおすすめです。ステップメール機能は、メールマガジン登録後から定期的なタイミングでメールを自動配信するシステムです。定期的に配信することで、顧客がお店のことを忘れてしまうのを防ぎ、継続的な集客につなげることが目的でもあります。
メールマガジンが有効な客層は、ビジネスでの利用頻度が高い顧客や、SNSをあまり利用していない年齢層の顧客です。特に若年層の顧客はSNSなどの利用率のほうが高いため、メールマガジンの登録案内よりも、SNSのフォローやLINE公式アカウントへの登録・連携案内を優先するほうがよい場合もあるでしょう。
MEO対策
MEO対策とは、Google MapsやGoogleマイビジネスでの検索結果において、お店情報を上位表示させるための対策です。検索エンジンや地図エンジンを最適化しておくことで、オーガニック検索結果で自店舗の情報が上位表示されやすくなるため、新規顧客への認知につながる可能性が高くなります。
検索結果で上位表示させるには、Googleビジネスプロフィールへの登録内容を充実させることが大切です。住所・電話番号・お店のカテゴリや属性だけでなく、営業時間や予約機能の活用、メニューなど、検索した顧客が知りたい情報を網羅して掲載することで集客につながりやすくなります。
さらに、掲載される口コミへの返信も大切です。口コミへの返信は、口コミした本人だけでなく、口コミを閲覧しているユーザーも参考にしています。ネガティブな内容の口コミであっても真摯に対応する姿勢によって、かえってお店への信頼性を高めることにもつながるでしょう。
飲食店が実施したいオフラインでの集客方法5選
オフラインでの集客方法は、対象顧客にお店の情報を直接届けられる方法が多いのがメリットです。一方で、幅広い顧客に一斉にアプローチするのは難しいため、適宜オンライン集客方法と組み合わせながら活用するのがおすすめです。ここでは、飲食店におすすめのオフライン集客方法を5つ紹介します。ぜひチェックしてみてください。
チラシ配布
チラシ配布は、店舗近隣エリアに住んでいる方や働いている方への認知拡大につなげる際に有効な手段のひとつです。
チラシを作成する際には、以下の内容を盛り込むことで集客につなげやすくなるでしょう。
- お店の特徴が一目でわかるデザインを意識する
- クーポンなどの来店動機促進になる特典をつける
- 公式ホームページやSNSと連動させる
チラシは、じっくり見てもらうことが難しいため、一目でお店の特徴がわかるデザインやキャッチコピーにすることが大切です。おすすめのメニューをわかりやすく記載したり、チラシ全体に店内写真を大きく掲載したりするのもよいでしょう。お店のおすすめポイントが明確になっていることで、対象顧客の来店につながりやすくなります。
来店の即効性が見込めるのも、チラシ配布のメリットです。オープン告知や新メニュー紹介と合わせて、クーポンなどの特典をつけることで来店動機につながる可能性が高くなるでしょう。
看板・のぼりの設置
看板やのぼりを設置することで、設置場所付近を通る人にお店の存在を知らせることができます。
のぼりは、通行人に店舗の存在や特徴を認識してもらうことに有効です。例えばランチ営業を新たに始めた場合、「ランチ」と記載したのぼりを設置することで、ランチの提供に気付いてもらうことができるでしょう。看板にはさまざまな種類がありますが、飲食店におすすめの看板はおもに以下のとおりです。
- 壁面看板
- ファサード看板(正面看板)
- スタンド看板
- 袖看板
店舗の壁面に取り付けられる壁面看板や正面入口上に設置するファサード看板は、文字自体やロゴデザインなどを自由に表現できます。お店の雰囲気やブランド性に対する視認性を高められるのが特徴です。
スタンド看板は、スタンド式の移動可能な看板です。黒板タイプなども多く、手書きで表記できるものも多いため、その日のおすすめメニューや限定メニューなどの表記に活用するのがよいでしょう。専門業者による設置の必要がないうえ、手軽に取り入れられる看板でもあります。
壁面から突き出している袖看板は、目線より高い位置に設置することが多いため、見つけやすいのがメリットです。特に飲食店が多い場所に出店している場合は袖看板を設置しておくことで、お店が見つからないなどの機会ロスを防ぐこともできます。
ダイレクトメール送付
ダイレクトメールは、既存顧客やリピーターに送付することで再来店促進に有効な集客方法です。また、一定期間以上来店がない休眠顧客の掘り起こしにも有効な手段のひとつといえます。
ダイレクトメールには、限定コースの優先予約や割引など、限定的な特典を付与しておくとさらによいでしょう。送付した顧客に特別感を抱いてもらい、リピート率の向上や来店動機を促すのが狙いです。ダイレクトメールで付与する特典内容は、事前にお店全体で詳細を決めておくと速やかな案内につながります。
また、ダイレクトメール内に「あと◯回の来店で限定◯◯メニュー一品サービス」などと次回受けられる予定の特典についても記載しておくことで、継続的な来店動機をつくるきっかけづくりも可能です。
ダイレクトメールに記載する文章は、お店のコンセプトから逸脱しない範囲内で親しみのある文章にすることで、顧客が親近感を持ちやすくなります。さらに、直接やり取りしたエピソードなども加えると、特別感を覚えてもらいやすくなるでしょう。
無料イベントを開催
潜在顧客から顕在顧客まで、幅広い顧客層の集客につなげる方法として無料イベントの開催があります。
イベントを企画する際には、来店につなげたい顧客層を絞り込み、顧客層に合ったイベント内容にすることが大切です。
例えば新店舗オープン時であれば、狙った層を新規顧客につなげられるよう無料のプレオープンイベントを開催するのもよいでしょう。店内の雰囲気を感じ、実際に料理を試食してもらうことで、見込み客につなげるきっかけづくりになります。
既存顧客には、新メニューの提供開始前に、特別に試食会イベントを開催するのも良いでしょう。既存顧客に絞り込んで招待することで、特別感を抱いてもらえるうえ、客同士のコミュニティができれば来店頻度を上げるきっかけにもなります。
イベント開催時には、後々ご案内や特典を送れるよう、メールアドレスやLINE公式アカウントのフォローなどの案内も大切です。既存顧客に向けたイベントは、顧客との関係性をさらに築くためのきっかけづくりと考えましょう。
リピーターからの紹介や口コミ
継続的に利用があるリピーターは、お店の料理や雰囲気などに満足していることが多いため、良い口コミなどを拡散する可能性が高くなります。さらに、仕事の接待で利用したり、友人や知人を連れて来店したりすることもあるでしょう。
リピーターの口コミやSNSでの情報発信には信頼性の高さを感じる人も多く、SNSや口コミを見た潜在顧客が来店するきっかけにもなり得ます。さらに、リピーターからの紹介客は、初めて訪れるお店でも抵抗感を覚えない傾向が高いため、リピーターにつながる可能性も高くなるでしょう。
新規顧客を獲得したい場合は、リピーターの人数が増えてきたタイミングなどでお友達紹介キャンペーンなどを企画するのもおすすめです。集客施策の一環として有効なだけでなく、リピーターの連れてくる顧客はお店の対象としたい顧客層に近い場合も多いため、質の高い新規顧客につながるメリットもあります。
飲食店の集客成功事例3選
飲食店における集客アップを成功させるには、イベントやメニューなどの新規性に加え、お店のこだわりや顧客への課題解決性の高さもポイントになります。ここでは、期間限定イベントやこだわりの食材を使用したメニューをフックに集客に成功した事例を3つ紹介します。それぞれの成功ポイントを比較し、自社の集客に活かしてみてはいかがでしょうか。
事例1.株式会社スープストックトーキョー
株式会社スープストックトーキョーでは、2024年6月21日からの2日間、外食店舗を中心に、スープ専門店がカレー専門店に変身する夏のお祭り「Curry Stock Tokyo」を開催。
当イベントでは、「スープ専門店による本気のカレー」と題し、当期間内ではグランドメニューであるスープメニューは一切販売しないという、新規性の高いアイデアも特徴です。
さらに、本格的なカレーメニューの提供に加え、2種類のお好みのカレーをセットにできる革新性のあるメニューも魅力です。気になるカレーを2種類味わえるというお得感と話題性がポイントの事例といえます。
また、同社の対象顧客でもある子ども連れ客の需要にも応えられる、「7種類の野菜の辛くないマイルドカレー」も提供。対象顧客の需要やニーズにもしっかり応えたメニューづくりと、新規性の高いイベント内容が多くの集客につながった好事例です。
参考:2024年6月21日(金)、22日(土)、Soup Stock Tokyoから“スープ”がなくなります。カレーを楽しむ2日限りの夏のお祭り「Curry Stock Tokyo」開催。
事例2.株式会社アンド・フォース
株式会社アンド・フォースのプライベートブランドでもある、カレーパン専門店「もとむのカレーパン」は、2020年10月21日(水)からの6日間、新潟伊勢丹で開催された「日本のおいしいもの展」に出展しました。同店は、伊勢丹新宿店で行われた「ISETANカレーフェス2020」においても、7日間で2000本の販売に成功した事例を持っています。
同店は、A5ランクの黒毛和牛を使用し、軽い食感が特徴のこだわり抜いたカレーパンを販売しているのが特徴です。お店のこだわりがメニューを通して感じられるのも、対象顧客の興味や関心をひく要因のひとつといえるでしょう。さらに、前回のイベントでの成功事例を活かし、期間限定イベントにおいても「焼きたて」と「冷凍」の2種類を用意。温かいカレーパンを家でも食べたいという顧客のニーズに応えた販売方法も、集客成功のポイントといえます。
参考:「ISETAN カレーフェス 2020」にて開催期間わずか7日間で2,000本完売のもとむのカレーパンが新潟伊勢丹で開催の「日本のおいしいもの展」にて新潟初上陸!
事例3.ロネテテ
西洋料理店ロネテテでは、オーナーシェフのこだわり食材を使用した期間限定メニューをフックにした集客施策を実施。「2年熟成のメークイン」という珍しい食材を使用し、食に興味や関心が高い既存顧客のニーズや需要を反映したメニューづくりが成功のポイントといえるでしょう。また、食材の使用範囲を広げ、クリスマスディナーコースでも提供することで、既存顧客だけでなく、新規顧客獲得に向けた施策の実施にもバランスよく取り入れています。
さらに、同店のプレスリリースを見た顧客を対象にグラスのスパークリングワインプレゼントという特典も付与。顧客の来店動機づくりと、既存顧客の再来店につながるニュース性がバランスよく実施されている集客事例です。
参考:惚れた食材“2年熟成!とろりと甘いメークィン“が冬仕立てに。多摩川駅より徒歩5分西洋料理店 『La Hönnêtêté/ロネテテ』素材の魅力を活かした冬メニューを11月下旬より提供開始
まとめ:対象顧客のニーズを満たす集客施策を検討し集客につなげよう
飲食店が集客を増やすためには、対象顧客の需要やニーズを満たすメニュー企画やイベントなどの施策実施がポイントです。施策実施の際には、面白みのあるアイデアや要素を加えることで競合との差別化を図れ、新規顧客の興味をひきやすくなります。
集客方法も、獲得したい顧客層に合った方法をバランスよく取り入れることが大切です。オンライン集客やオフライン集客に偏らず、どちらもバランスよく実施することで、それぞれの強みを活かし、集客の最大化を図れるでしょう。
成功事例なども参考にしながら、お店のコンセプトに合った施策内容を検討することが大切です。
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