PR TIMES MAGAZINE https://prtimes.jp/magazine Tue, 10 Sep 2024 06:26:28 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.6.1 https://ptmagasset.com/wp-content/uploads/2020/02/87755731_648697089230162_6632117481475407872_n-1.png PR TIMES MAGAZINE https://prtimes.jp/magazine 32 32 チーム・企業・リーグの可能性を広げる。広報PRが描くバスケットボールの未来|株式会社千葉ジェッツふなばし https://prtimes.jp/magazine/chibajets-case-interview/ https://prtimes.jp/magazine/chibajets-case-interview/#respond Thu, 12 Sep 2024 02:40:00 +0000 https://prtimes.jp/magazine/?p=48693 男子プロバスケットボールリーグ、B.LEAGUE(Bリーグ)の中でも注目度が高い「千葉ジェッツふなばし」。2023-2024年シーズンは、天皇杯での2年連続5度目の優勝や日本クラブとして初めてのEASL(東アジアスーパーリーグ)での優勝を果たしました。日本生命 B.LEAGUE CHAMPIONISHIPはベスト4で終え、シーズン三冠は逃したものの躍進を続けています。

本記事では、同チームの広報PRを務める株式会社千葉ジェッツふなばしの芳賀宏輔さんにインタビュー。SNSやプレスリリースを巧みに使ったファンとのコミュニケーション術や情報発信で大切にしていること、情報収集のコツなどについてお話を伺いました。

株式会社千葉ジェッツふなばしの最新のプレスリリースはこちら:株式会社千葉ジェッツふなばしの最新のプレスリリース

株式会社千葉ジェッツふなばし チーム統括本部 チームブランディング部 メディアチーム リーダー / ジャンボくん マネージャー

芳賀 宏輔(Haga Hirosuke)

埼玉県出身。大手芸能プロダクション「研音」でマネージャーを務めた後、製菓メーカー「BAKE(ベイク)」の広報に転身。その後、千葉ジェッツの試合を見て衝撃を受け株式会社千葉ジェッツふなばしへの転職を決意。当時の代表取締役社長で現バスケットボール男子Bリーグの島田慎二チェアマンの秘書を1年務めて現職。

GM直轄の部署で選手・チームの魅力を発信

──本日はよろしくお願いいたします。早速ですが、「千葉ジェッツ」の広報PRの組織体制について教えていただけますでしょうか。

千葉ジェッツの広報PRを担う私を含めた3人は、チームのGM(ゼネラルマネージャー)が統括する「チーム統括本部」に所属しています。広報PRはマーケティング部など事業部側に置かれることが多いと思うのですが、広報PRチームが選手や千葉ジェッツというチーム側に寄り添いながら、フロントスタッフとのかけ橋としての役割を担うため、2023年の組織編成で現在の体制になりました。

──「チームとフロントスタッフとの架け橋」ということですが、チームや他部署との連携ではどのようなことを大切にされているのでしょうか。

チームとの連携に関していうと、とにかく選手たちと接する時間を増やすことですね。練習を終えた選手に声をかけて話を聞いたり、その光景を写真や動画にしたりして、選手の表情をファンの皆さんに届けられるようにしています。

SNSに投稿すると選手が絡んでくれて、さらにコミュニケーションが生まれることもあります。多くの選手との接点を大切にしたいと思い、練習がある日はできる限り毎日選手に会いに行くようにしているので、シーズン中は事務所にいるほうが少ないかもしれないですね。

他部署との連携に関していうと、テキストコミュニケーションだけではなく直接会話することを心がけています。コロナ禍以降はSlackでのやり取りが中心でしたが、親会社が変わり規模が大きくなったこともあり、テキストコミュニケーションだけでは行き違いが生じることが増えてしまいました。大切なことほど対面や電話での直接の会話が必要だと感じています。

株式会社千葉ジェッツふなばし インタビュー01

チームだけでなく企業としての可能性を伝えていく

──芳賀さんはじめ、千葉ジェッツの広報PRとしての目標はどこに置いていますか。

今シーズンからホームアリーナが収容客数1万人規模の「LaLa arena TOKYO-BAY」に変わるこのタイミングで、さらに注目度を高めていきたいと考えています。例えば、BリーグにおけるSNSのフォロワー数やYouTubeの登録者数をすべて1位にすることも目標のひとつです。

また、バスケットボールがこれだけ注目され始めている中で、メディアにどのように取り上げてもらうのかをしっかりと考えていくことが必要だと感じています。例えば、今までは、チームの試合結果や選手についての発信が中心でしたが、「株式会社千葉ジェッツふなばし」が企業としてどう成長しているのか、バスケットボールという競技自体がビジネスとしてもエンターテインメントとしてもどんな可能性があるのかなど、プロバスケットボールチームとしてだけでなく企業としても注目されることをめざしたいですね。

参考:【千葉ジェッツ】Bリーグ「ソーシャルメディア最優秀クラブ」2年連続4回目の受賞!!一過性の流行だけに頼らない地道な広報PR活動が受賞を後押し!

参考:Bリーグ【千葉ジェッツ】が運営するYouTube「ジェッツチャンネル」が登録者15万人を達成!!

──具体的に、どのような広報PR活動をしていきたいと考えていますか。

すべての試合を1万人の観客で埋めていくことを考えると、今まで出ていなかったメディアにも掲載されて、より幅広い層のお客さまに知ってもらう必要があると思います。例えば、今まで選手が出ることが少なかった女性誌とコラボレーションすることによって、新たなお客さま層に注目していただくこともひとつです。

また、ビジネス系メディアに企業として掲載されることも理想的だと考えています。株式会社千葉ジェッツふなばしは今、30億ぐらいの売り上げを立てられるようになってきていて、Jリーグの1部リーグのクラブと同等の規模感でビジネスを展開できるようになってきました。そういう部分も取り上げていただくことで、バスケットボールのクラブチームで働くことやバスケットボールに関連する仕事をすることに興味を抱いてもらえるように、という視点でもしっかり発信していきたいですね。

ファンコミュニケーションで意識している2つのこと

試合結果だけにしないストーリーの発信

──ファンとのコミュニケーションの取り方で、どのような点を大切にしていますか。

SNSをとにかくこまめに発信することを大切にしていて、実際の発信量はほかのスポーツと比べてもかなり多いほうではないでしょうか。また、発信の際には「ラフな投稿」「親しみやすさ」を意識しています。スポーツはどうしても勝利によって大きく左右する事も多いので、その中でラフな投稿をしていると「そんなことをしているから負けるんだ」と言われてしまうリスクもありますが、バスケットボールを勝敗だけでなく、エンターテインメントとして捉えてもらうよう意識しています。選手の情報だけではなく、練習が終わったあとのちょっとした表情やその日のできごとなどをユーモアを交えて発信することで、できるだけ毎日チームに触れていただきたいと思いSNSを運営しています。

社会課題解決のハブをめざす地域貢献活動

──チームや選手に関することだけでなく、最近ですと「農林水産大臣賞」受賞のニュースなど地域貢献活動に関する発信も多いのが印象的です。

千葉ジェッツは地域に支えられて活動してきたチームで、地域チームとして成長してきました。チームが大きくなってできることが増えたため、今度は私たちが支える側になりたい、地域課題を解消していくハブという思いで、「“ささえる”からはじまる社会貢献」をスローガンに『JETS ASSIST(ジェッツアシスト)』という社会貢献プロジェクトを立ち上げています。

千葉県の子どもたちを試合に招待させていただく「ちば夢チャレンジ☆パスポート・プロジェクト」や、ひとり親世帯を対象としたバスケットボール教室の開催、さまざまな事情で支援が必要な家庭に食品を届ける「フードドライブ」などを通して、経済的・社会的に恵まれない境遇にある方々への支援活動や啓発活動に力を入れています。自身が患った病気の経験を踏まえ、長期療養をしている子どもに向けたプロジェクトを自主的に立ち上げている選手もいるんです。

参考:【Bリーグ】「千葉ジェッツ」が第八回食育活動表彰において「農林水産大臣賞」を受賞!!

株式会社千葉ジェッツふなばし インタビュー02

メディアに対する話題性と企業広報に伝えるチームの可能性

広くアンテナを張る日々の情報収集

──芳賀さんは他社のプレスリリースもよくチェックされているそうですが、どのように情報を探されているのでしょうか。

前職のBAKEで広報PRを担当していたときに、「プレスリリースを上手に書きたいなら、とにかく毎日PR TIMESと日経MJを読みなさい」と上司に言われて以来、この2つをチェックすることが習慣になっているんですよ。特にPR TIMESは掲載されているプレスリリースの件数が膨大なので、「今日のランキング」「SNSで話題」「スポーツ」「エンタメ」のカテゴリを中心に、ランキングが上位のものに目を通すようにしています。

また、流行しているものを知りたいときにはTikTokを活用します。誰が人気で、どんな音楽が流行っていて、どういうお店が注目されているのかなどの「今話題のもの」はTikTokを見るとわかりやすいですね。自分の年齢が上がってきて若者たちの興味がわからなくなっているからこそアンテナを広く張り、XやInstagramだけでは得られない情報を得るようにしています。

ほかとは一味違う遊び心を

──狙い通りもしくはそれ以上の効果が得られたプレスリリースや企画はありますか。

ふなっしーの選手契約のプレスリリースは予想以上の反響がありましたね。Xの反応も歴代投稿の中でも高かったですし、多くのメディアが取材してくださいました。ご当地キャラが応援団長や応援アンバサダーを務めるケースはほかのスポーツでもありますが、選手契約をしたチームはなかなかないと思います。GMのコメントを載せた遊び心のあるプレスリリースが大きな反響につながったのではないでしょうか。バスケットボールが好きな人やふなっしーのファンだけでなく、異なる業界の方からも「こんなにおもしろいことをしているんだ」と注目していただけたと思います。

その後も、ふなっしーの対談を企画してプレスリリースを配信したことで、選手契約時、対談時、試合当日と3段階でメディアに取り上げていただくことができました。

参考:千葉ジェッツ 梨界のスーパープレーヤー「ふなっしー」とBリーグ マスコット総選挙3連覇の「ジャンボくん」と期限付きプロ選手契約のお知らせ

【ふなっしーの選手契約のプレスリリースのポイント】
2019-20シーズンより2022-2023シーズンまでに4シーズン連続で期限付きプロ選手契約。満了時にも本来の選手同様プレスリリース発表を行っています。
参考:千葉ジェッツが4シーズン連続で、梨界のスーパースター「ふなっしー」と「ジャンボくん」と期限付きプロ選手契約のお知らせ
参考:【千葉ジェッツ】梨界初の1億JETS円プレイヤー #274 ふなっしー選手、#200 ジャンボくん選手との期限付きプロ選手契約満了のお知らせ

また、2023-2024シーズンには、ふなっしーを期限付き「CEO(Chief Entertainment Officer/最高エンタメ責任者)」に迎え、新たな話題をつくっています。プレスリリースでは「CEO」と置くことで、最高経営責任者を想起させ、意外性も非常に高く目を引きます。
参考:ふなっしーが富樫勇樹率いる「千葉ジェッツ」の期間限定「CEO」に就任!!
(PR TIMES 取材担当者より)

メディアだけでなく企業広報に向けたプレスリリース

──プレスリリースを配信する目的は、メディアに向けたもの以外にありますでしょうか。

PR TIMESで配信するプレスリリースは、メディアの方々はもちろん、異業種の広報PRを担当している方にも見ていただくことを目的としています。

スポーツビジネスはパートナー企業さまに応援していただくことが大切なので、企業の広報PRを担当している方がバスケットボールに注目するきっかけとしてもプレスリリースを利用しているんです。最近は、開幕から30試合すべてのホーム開催チケットが完売していることやバスケットボール界が盛り上がってきていることを伝えるプレスリリースを配信しました。スポーツチームに協賛をしたいと考えている企業が、「千葉ジェッツにしよう」と思うきっかけになればよいなと思っています。

そのためPR TIMESで配信するプレスリリースは、一般企業の方にも刺さる内容であることはもちろん、スポーツ以外のメディアの方が見てもおもしろいと思ってもらえるように意識しています。地域貢献の取り組みやYouTubeの登録者数が何人を達成しましたというニュース性があるもの、おもしろいイベントなど、一般生活者の方にも注目していただけるようなものを配信したいですね。

参考:Bリーグ【千葉ジェッツ】が運営するYouTube「ジェッツチャンネル」が登録者15万人を達成!!

ファン拡大とプロバスケットボールリーグの評価につなげる広報PR活動

──最後に、広報PRチームとしての今後の展望をお聞かせください。

今シーズンからは「LaLa arena TOKYO-BAY」での試合が始まるので、とにかく満員にしてお客さまに楽しんでいただくことが一番の目標です。そのためには、今まで以上に地域に根差して幅広い層のファンを増やしていく必要があるので、広報PRチームとしても重点的に取り組んでいきたいですね。

バスケットボールが少しずつ注目されるようになってきたものの、サッカーや野球と比べるとまだまだメディアへ取り上げられることは多くありません。そこを打破するためにも、選手個人の価値を上げたり、バスケットボールが盛り上がっていることを理解してもらえるような発信をしたりしていくことも広報PRの役割だと思っています。

また、これまでのようにSNSやYouTubeでの発信にも力を入れていきたいです。TikTokを活用して子どもに向けたコミュニケーションを広げて未来のファンをつくっていくことはもちろん、さまざまなSNSを使い分けて、幅広い世代に認知を広めていきたいと思います。

そして、最近はスポーツ業界の誹謗中傷も課題として感じています。この問題を少しでも緩和するにはどうしたらよいのか考えたときに、選手が普段どのように頑張っているのかをもっと発信していくべきだと感じています。その選手の競技への向き合い方や人柄を知ることで、「こんな選手なんだ」「こんなに頑張ってるんだ」と、誹謗中傷が応援の気持ちに変わってくるのではないでしょうか。

千葉ジェッツも、今後は選手たちがどのように競技と向き合っているのか、どのような思いを持っているのかという部分の発信を増やしていきたいと考えています。いろいろな意見があるのは当然ですが、励ましや応援の方に気持ちがシフトしていくような発信を意識したいですね。

株式会社千葉ジェッツふなばし インタビュー03

まとめ:試合結果だけではない。応援されるチーム、バスケットボール事業の価値向上をめざす

「幅広い層での新規ファンの獲得」を目標に掲げる、株式会社千葉ジェッツふなばし チーム統括本部チームブランディング部の芳賀宏輔さんに話を伺いました。

千葉ジェッツ・芳賀さんに学ぶ広報PRのポイントはこちら。

  • 毎日選手に会いに行き、できるだけ接点を多く持つことで温度感のある情報を発信
  • 「メディアにどう取り上げられたいのか」を考え、さまざまな視点での情報発信を意識
  • プレスリリースはメディアやスポーツ業界だけでなく多方面に刺さる内容に
  • 選手の競技への向き合い方や思いを発信することで、「応炎したい」気持ちを醸成

新たなファン層の獲得とメディア掲載の拡大をめざし、SNSやプレスリリースを駆使したアプローチを展開する千葉ジェッツ。「これまで地域に支えられて成長してきたチームだからこそ、今度は支える側になりたい」と、地域貢献活動にも積極的に取り組んでいます。デジタルメディアを活用した巧みな情報発信と、地域貢献活動を通じたふれあいを軸にした同社の広報PR活動は、スポーツ業界はもちろん、地域に根差したファンづくりをめざす企業にとっても参考になるのではないでしょうか。

※千葉ジェッツでは皆さまからの「応援」を「応炎」と表現しています

そして2024-2025年シーズンからは渡邊雄太選手が加わり、収容客数1万人規模の新ホームアリーナ「LaLa arena TOKYO-BAY」での活動が始まります。これからの千葉ジェッツの取り組み、広報PR活動にますます注目です。

【Behind the Scenes:目標達成のために主体的に動く組織へ】
ここでは、広報PR活動に限らず取材時にお伺いした組織運営についてまとめています。2020年に代表が変わった千葉ジェッツふなばしではどのように目標を定め、活動してきたのか。合わせてご覧ください。

──芳賀さんは、島田さん※が代表時代に秘書を経験されたと伺いました。その経験から学んだことなどあればお聞きしたいです。

秘書としていろいろな講演会に同行し、島田が大切にしている思いなど「千葉ジェッツが成長するための材料」を知ることができました。島田は、「動員数で一番を取ろう」「ホスピタリティNo.1のチームにしよう」など明確な目標を立てて、そこに向かってチーム全員で取り組む組織づくりがとてもうまいんです。その明確な目標があるからこそ、意見が分かれたときにも芯がぶれずに正しい選択ができるのだと、とても勉強になりましたね。

※島田慎二(現:B.LEAGUE チェアマン・日本バスケットボール協会 (JBA)副会長、旧:株式会社千葉ジェッツふなばし代表取締役社長)

──「明確な目標設定」はどのようにして立てられるのでしょうか。

これまでの課題を解決するための目標というよりは、未来に向けての目標ですね。「業界初」「No.1」など、とにかくプレスリリースを配信する際にわかりやすいものや、注目されやすいものを目標にしていました。

注目選手がたくさんいるチームであれば、メディアに注目してもらうことができますが、千葉ジェッツはもともとそれほど強いチームではなかったので、尖らせるということを相当意識していたと思います。SNSでリプライを積極的にしたり、たくさん発信したりしたのも尖らせるための取り組みのひとつでした。

──2020年には、代表取締役社長が島田さんから田村征也さんに変わりました。組織として変わったことはありますか。

以前は島田という強い経営者に引っ張られて組織が成長してきました。しかし現在は、全従業員が主体性を持って動く組織にしたいという考えです。部署ごとにとにかく考えてボトムアップできる形を大切にしていて、指示を待つのではなく、一人ひとりが主体的に考えることを意識した組織づくりをしたいと思います。本部性にして各部署に部長を置き、部署ごとにしっかり目標を達成していくことで、会社の目標を達成する形です。

自分たちの特色を生かしながら各部署が取り組み、新しいことに積極的に挑戦するようになったと思います。

]]>
https://prtimes.jp/magazine/chibajets-case-interview/feed/ 0
経営者は言葉の力を磨こう。言語化能力は会社の未来を見通す力になる|石川貴也 https://prtimes.jp/magazine/contribution-2418/ https://prtimes.jp/magazine/contribution-2418/#respond Wed, 11 Sep 2024 00:00:00 +0000 https://prtimes.jp/magazine/?p=48397 本稿は、石川貴也氏による寄稿です。

本記事では、明治から続く愛知県の製缶メーカー側島製罐株式会社の六代目代表取締役に就任し、数々の新たな挑戦を進める石川貴也氏に執筆していただいています。

経営者として事業を担っていくうえでさまざまなスキルが求められる中、特に重要なひとつが「言語化能力」だと石川さんは言います。どのような場面で「言語化能力」が必要となり、広報PR活動にどうつながっているのか解説をご覧ください。

側島製罐株式会社 代表取締役

石川貴也(Ishikawa Takaya)

愛知県出身。慶應義塾大学経済学部を卒業後、日本政策金融公庫に入庫、国民生活事業本部にて支店、審査企画部、内閣官房への出向、事業企画部とキャリアを進める。実父が経営する側島製罐に跡取りがいなかったことから、一念発起して2020年4月に転職。創業100年を超えるレガシー企業で広報、デジタル化、プロ人材の採用、理念形成などを通し老舗ベンチャー企業を目指す。2023年4月に代表取締役就任後も側島製罐のプレスリリースは主に本人が書いている。

(この記事を読んでいただく方へ)
言葉を使ってビジョンを明確にし、社員やステークホルダーに伝える力は、企業イメージを発信するパワーに直結します。高い言語化能力は一朝一夕に獲得できるものではありませんが、地道な広報PR活動を通じて磨いていくことが可能です。今回の記事では、言語化能力が経営にどのような影響を与えるのか、またどのようにしてこのスキルを高めるのかについて詳しく解説していきます。

そもそも経営者として言語化能力を高める意義

経営者にとって、言語化能力は単なるスキルではありません。経営者の重要な役割のひとつとしては、「日常的に会社のビジョンや戦略を共有し、組織内外へ正しく伝えていくことを先導していくこと」が挙げられます。その点において、言葉を生み出す力は経営者にとってもっとも重要な力のひとつといえるでしょう。

広報PR活動の場面に限らず、言語化能力はどれだけわかりやすく正確に自分の想いを伝えられるかどうかを左右するため、社員との日々のコミュニケーションや組織統制、社内外に向けたメッセージの発信などのあらゆる場面で有用なスキルだといえます。動画や写真など、最近ではさまざまな方法でコミュニケーションを取れるようになりましたが、それでも概念は言葉にしない限りまとめたり、理解したりすることは難しいものです。誰しもが共通の意味を理解することができるという点において、言葉はもっとも優れたコミュニケーションツールであり、経営者がその力を磨くことは非常に有意義だと考えます。

広報PR活動は言語化能力を高めるチャンス

会社経営をする中で、「なかなか自分の想いが社員に伝わらない」「自分の事業についてうまく説明できない」このようなお悩みを抱えたことはないでしょうか。言葉には想いを伝えて人の心を動かす力がありますが、伝えたいことを的確に表現することができなければ、十分に伝わらなかったり、時には誤った解釈をされて歪んで伝わってしまったりすることもあります。経営者の大きな役割のひとつは会社の方針やビジョンを語ることによって、組織をダイナミックに動かしていくことにありますが、そのためには自分の想いを適切な言葉にして表現する力が欠かせません。

私は広報PR活動を通じて、自分の想いを言葉で適切に表現する「言語化能力」を鍛えることができると考えています。広報PR活動においては、前提知識がない方々に向けて業界や事業内容、自社のビジョンについて伝えていく必要があります。社内や業界内での日常的な会話とは異なり、人間関係を前提とした「言わなくてもわかるだろう」という阿吽の呼吸や普段使っている業界用語などが一切通用しない環境です。そのような環境の中でメッセージを発信することは慣れるまで大変なことではありますが、誰が聞いても正確かつ簡単に理解できるような言葉で説明するための言語化能力を伸ばすための絶好の機会となります。

経営者自身が常日頃から広報PR活動に真剣に取り組むことによって言葉の力は磨かれ、有名な事業家の言葉やビジネス本に書いてあるような借り物の言葉ではなく、自分の口や手からピュアな独自の言葉を生み出せるようになります。

事業の魅力は言語化によって再発見できる

広報PR活動をしていると事業についてあらためて説明する場面が多くなります。その過程で「なぜこの事業をやっているのか」「どんな想いを大切にしているのか」といった、事業の根幹にかかる部分を言語化していくことになるわけなのですが、これが事業の魅力を再発見することにつながります。そもそも、事業で何をやっているか(=What)どうやっているか(=How)については、日常業務で説明する機会はありますが、なぜやっているか(=Why)についての説明は日々の活動においては必要性がないため、向き合う機会がほとんどありません。しかしながら、この“Why”の部分と向き合って深く言語化していくことは、事業の棚卸しや再評価をすることにもつながり、あらためて自社の経営資源を掘り起こしたり、認識していなかった強みに気付くことができたりする貴重な機会です。そのプロセスを経ることによって、何をやっているか(=What)どうやっているか(=How)についてもブラッシュアップしてより芯の通ったメッセージを対外的に発信することが可能になっていきます。

特に歴史のある中小企業や次世代の経営者(アトツギ)にとって、事業の棚卸しは必要な作業です。長い歴史を持つ企業では、伝統的な価値観や過去の成功事例に囚われがちです。しかし「お客さまの御用聞きをする」という答えが用意された時代のビジネスとは変わって、これからの不安定で不確実な答えのない時代に適応していくためには、自分たちの強みや現状を正確に把握したうえで、自ら問いを立てて事業展開をしていくことが重要になってきます。幸いにして、歴史のある中小企業でも「広報PR」という領域は未着手であることが多いため、次世代の経営者が新たに取り組みやすいものです。事業承継を行う前段階として、広報PR活動に取り組んで言語化スキルを磨き、同時に事業の棚卸をしながら助走期間で経営者の資質を高めていくことは大事なプロセスなのではないかと思っています。

経営者の言葉は採用活動にも波及する

「広報PR活動を通じて言語化能力を鍛えることができる」ということについて説明してきましたが、経営者が言葉の力を鍛えていくと企業の採用活動においてもその効果は波及していきます。売り手市場と呼ばれる現代においては、ただ求人情報を広告するだけではなく、会社の魅力を発信して認知を広げることは採用活動における不可欠な施策のひとつです。ここで問われるのが経営者の言語化能力だと考えています。

広報PR活動で鍛えられた言葉の力は、面接や入社後のオンボーディングまでの過程でのミスマッチを減らしていくことを可能にします。求職者はメディアや求人広告で見聞きした内容から期待感を持って面接を受けに来るわけですが、実際に会ってみて経営者から出てくる言葉に一貫性がなかったり、わかりにくかったり、そもそも経営者から熱のこもった言葉が発せられていなかったりすると、その違和感から選考辞退になってしまうケースもあります。もちろん、求人広告自体はプロのライターに頼むことで魅力的な言葉を掲載することはできますが、経営者が実際に自分の言葉で熱く語ることができなければ、どれだけ美辞麗句を並べたところで求職者にその想いは伝わりません。

求職者が「メディアで見た内容と面接で聞いた内容が一致している」と感じることで初めて企業に対する信頼感が生まれ、「この企業で自分もそのビジョンを実現する一員になりたい」という想いをリレーすることができます。経営者が言語化能力が高めることで、採用活動は単なる人材募集から企業のビジョンに共感する仲間を見つけるプロセスへと変えられるわけですね。

自分だけの言葉を見つけよう

今回は経営者にとって言語化能力の重要性について書きました。広報PR活動の精度を上げることはもちろん、なかなか日常的には気付きにくい事業の魅力の再発見や採用活動への波及効果など、言語化能力を磨くことで事業の推進に大きなインパクトを与えることができるということはある程度ご理解いただけたのではないかと思います。

しかしながら、ここまで読んでいただいた方の中には「でも自分は話すのが苦手だ」「言葉にまとめるのは難しい」という方もいらっしゃるかもしれません。そんな経営者の方はぜひ、自らプレスリリースを書いてみてはいかがでしょうか。

「プレスリリースを書く」というと少しハードルが高く感じるかもしれませんが、そもそもプレスリリースに正解はありません。今はSNSやPRプラットフォームなど、世の中に発信する方法はたくさんあります。記者クラブへの持ち込みやメディアへの直接送付でも構いません。プレスリリースは対外向けという性質上、最低限の形式は必要になりますが、まずは不格好でも不十分でもよいのでプレスリリースを書いて誰かに届けてみましょう。

どんな取り組みをしているのか、どんな人に自分たちの想いを届けたいか、何のために自分たちは事業をやっているのか、そうした事業の根幹の部分に一つずつ向き合い丁寧に言葉にしていく作業を通じて、言語化能力を高めていくことができるはずです。どんな経営者も最初から自在に言葉を操っていたわけではありません。誰かに何かを伝える、という場面で真剣に自分自身や事業と向き合い、言葉で表現することを諦めずに突き詰めていき、結果として人の心に残る言葉が生まれていくものです。企業の歴史や事業内容は千差万別で、あなたの会社からしか生まれない言葉がきっとあるはずです。ぜひ、広報PR活動を通じて、自分だけの言葉を探してみてください。

]]>
https://prtimes.jp/magazine/contribution-2418/feed/ 0
1本のプレスリリースが5000件の注文を呼び込んだ。倒産の危機を救った広報PR|株式会社岡田商会 https://prtimes.jp/magazine/exchange-meeting-240823/ https://prtimes.jp/magazine/exchange-meeting-240823/#respond Tue, 10 Sep 2024 02:40:00 +0000 https://prtimes.jp/magazine/?p=48617 中小企業では広報PRに時間を割くことができず、プレスリリースもなかなか配信できないという声を聞きます。

プレスリリース配信サービス「PR TIMES」を運営する株式会社PR TIMESでは、8月23日に「中小企業における効果的な広報PR活用」をテーマとしたユーザー会を実施。イラスト入りはんこ「ずかんシリーズ」が大人気の株式会社岡田商会常務取締役の岡山耕二郎さんに登壇いただき、ヒット企画の背景にあるプレスリリース活用について伺いました。また、プレスリリースを作成する際のポイントでは、実際に配信された岡田商会のプレスリリースだけでなく、岡山さんが広報PR活動のサポートをしている企業の事例も交えて解説。当日、お話いただいた内容を元にまとめています。

株式会社岡田商会 常務取締役

岡山 耕二郎(Okayama Kojiro)

大阪のハンコ町工場の二代目。独自の商品企画とプレスリリースを活用し1200以上のメディアで紹介、累計15万本以上のヒット商品に。2021年より中小企業にPR活用の有用性を広めたいという想いからPR事業部を設立。これまで100社以上のサポートを行う。2023年10月よりPR TIMES公認プレスリリースエバンジェリストとして活動。

どん底からの起死回生。実感した広報PRの力

本日は、倒産危機だったわが社がプレスリリースの力で赤字から脱出し、ヒット商品を生みだした経緯とともに私自身が実感した広報PRで大切なポイントについてお話しします。みなさまに持ち帰っていただけるようなヒントを、できるだけたくさんお伝えできればと思っています。

注文殺到、たった4件から5000件へ

岡田商会(大阪市)は、1980年に私の父が創業した会社です。現在は販売累計15万本以上の「ずかんシリーズ」など人気商品が生まれていますが、8年前(2015年当時)までは業績が低迷しどん底の状況でした。社内の雰囲気も暗く、離職者も続出。いよいよ倒産が現実味を帯びてきたときに、できることはなんでもやろうと考えていたんです。そんなとき、たまたま友人が経営する保護猫カフェに遊びに行き、そこで出会った一匹の猫を引き取ることになりました。猫好きの友達も増え、彼らに喜んでもらえる商品を作ろうと、当社にとっては初めてのオリジナル商品となる猫のイラストが入ったハンコ「ねこずかん」を開発したんです。

今振り返ると、以前は私自身が「ハンコには付加価値をつけられない」と思い込んでいたせいで、お客さまの本当のニーズに気づけなかった。どのような事業であっても、まずは当時の私のような「付加価値をつけられない」という思い込みを捨てて、差別化や付加価値によって強みを創出することが一番大事です。

ただ、みんなで渾身の力を込めて作った「ねこずかん」でしたが、発売後フタを開けてみたらたったの4件の注文しかありませんでした。

そんな状況を見た私の妻が、プレスリリースを配信してはどうかと勧めてくれました。妻は別の仕事でプレスリリースの効果を実感したとのこと。見よう見まねで、PR TIMESから1本プレスリリースを配信してみました。するとその日の夕方から注文が入り始め、なんと3日間で5000件を超える注文が殺到。本当にたくさんのメディアで取り上げていただき、テレビや新聞などの取材依頼も舞い込みました。プレスリリースの威力に驚くとともに、もっと広報PRに注力しなければいけないと実感したんです。

プレスリリースから得た新たなチャンス

プレスリリースを配信することで認知度が上がったり、売り上げにつながったりするのはもちろんですが、ほかにもメリットはたくさんあります。例えば弊社の場合、メディアに取り上げていただくことで人気キャラクターとのコラボレーションの提案をいただいたり、自店舗で販売したいという依頼をいただいたりなどといったビジネスチャンスが広がったのは大きな効果です。

さらに採用面でもメリットがありました。「ずかんシリーズ」の認知度が上がったことで、商品に共感してくれた方が入社を希望してくれるようになったのです。

そして何より、既存社員のモチベーションが上がり、社内が活気づいたことが一番うれしかったですね。付加価値がないと価格競争するしかなく、社員もせっかく作った商品がたたき売りされているのを見るのはつらかったと思います。今は、商品がメディアで紹介されたり、SNSにお客さまがコメントを投稿されたりすると、みんな喜んで見ています。

「共感されるプレスリリース」を生む3ヵ条

では次に、私がプレスリリースを作成する中で、具体的にどのような点を工夫しているのか紹介します。

会社のメッセージとお客さまのニーズが重なる部分を見つける

プレスリリースを作成する前段階として、広報PR担当者の方に行ってほしいのが、経営者との認識のすり合わせです。広報戦略は経営戦略に紐づいている必要があるため、経営者が何を考え、どんな情報を発信していきたいのかを、しっかりとヒアリングすることが重要になります。

そしてもうひとつ行ってほしいのが、お客さまへのリサーチです。お客さまがなぜ自社商品を選んでくださっているのか、その理由を明確に把握しておくこと。それによって、情報発信が一方通行になるのを防ぐことができます。会社として発信したいことと、お客さまが求めていることとが重なる部分が広報PRで扱う領域です。それをいかに調理して伝わる形にするかが、広報PR担当者の腕の見せ所といえるでしょう

ユーザー会 株式会社岡田商会
登壇者 岡山耕二郎氏作成資料より

自分が強く共感できるところを探す

実際にプレスリリースを作成するうえで、意外に重要なのが「自分が共感しているかどうか」という点です。自分が共感できていない情報は、いくら発信しても伝わりづらい。なぜなら、熱量が伝わらないからです。熱量を伝えるためには、自分が強く共感できるポイントを探すこと。可能なら商品の企画段階から参加できると、企画にPR目線が加わり、広報PRもスムーズにできると思います。

共感できるポイントを押さえたうえで、プレスリリースを作成する際には以下の要素を意識するようにしています。

<プレスリリース作成時のチェックリスト>

  • タイトルをパッと見ただけで、情報の価値が伝わるか
  • タイトルの最初の一文は、目を惹く書き出しになっているか
  • 「なぜこの商品・サービスをつくったのか」を、わかりやすく説明できているか
  • 「この商品・サービスが選ばれる理由」を、わかりやすく説明できているか
  • 本文の内容をイメージできる写真や画像が入っているか
  • 共感されづらい情報や、不要な情報を長々と書いていないか

配信後の反響を次の企画へ活かす

プレスリリースを配信したあとは、必ずメディアに掲載されているかどうかを見に行きます。掲載されている記事はすべて熟読し、メディアの方がどんな点を評価してくださったのか、どんな言葉を使って商品を紹介してくださっているのかをチェックして、次回プレスリリースを配信するときの参考にするんです。同じように、お客さまのSNS投稿や商品レビューなども細かく見て、言葉づかいや表現を次回の参考にしたり、そこからヒントをつかんで次の企画につなげたりしています。プレスリリース配信後のこういった取り組みも、広報PRの重要な仕事だと思いますね。

ユーザー会 株式会社岡田商会

「キャッチーさ」にとことんこだわるPR施策

ここからは実際に配信したプレスリリースで工夫したポイントを紹介していきます。どの事例もキャッチーさや伝わりやすさにこだわって作成しているんです。

事例1.意外性をタイトルに。メディア視点を意識した「ねこずかん」

「ねこずかん」の発売を紹介するプレスリリースのタイトルでは、硬いイメージのハンコと猫のファンシーさとのギャップを表現しています。本文では銀行印として実際に使えることを伝えたり、ハンコの内容が一目でわかる画像を入れたりするなどの工夫をして、キャッチーさが伝わるようにしました。実はこのプレスリリースは配信前日に読み返して、大幅に情報を削除しているんです。こちらが伝えたいことをたくさん盛り込んでいましたが、「メディア側からすると必要だろうか?」と疑問になり、その視点で添削していくと、不要な情報を長々と書いていることに気づいたんです。こういう視点も、メディア掲載を目指すうえで大事だと思っています。

参考:事務的でお堅いハンコのイメージをくつがえす!?猫をこよなく愛するハンコ屋店主が作った、かわいいネコのイラスト入りはんこ「ねこずかん」。

事例2.社会性とおもしろさにこだわった「猫とこたつと思い出みかん」

食品販売の有限会社nakatxさまの広報サポートとして作成したプレスリリースでは、みかんを販促するための企画を一緒に考えました。みかんのおまけとして、猫ちゃん専用の段ボール製のこたつをつけるという企画です。売り上げの一部を保護猫活動へ寄付したり、ノーブランドのみかんを採用することで農家支援につなげたりと社会貢献性を取り入れました。社会貢献性と企画のおもしろさ、そしてかわいさのバランスが結果に結びついた事例です。

参考:ネコ好きに愛されて累計5,500箱突破!日本初の猫専用こたつ付きみかん『猫と、こたつと、思い出みかん』2月22日の「スーパー猫の日」に本年度の予約受付スタート。

事例3.独自性を追求した「ヘブンジャパン?知らんけど。ポスター」

女性下着メーカーの株式会社HEAVEN Japanさまのプレスリリースでは、会社の強みが社会に認知されていないという課題を解決するために、会社を紹介するポスターを作成しました。しかしこういう発信は一方的になりがちなので、それを避けるためにとことんキャッチーにしました。大阪の会社なので関西弁で訴えるコピーや、笑いの街・大阪らしいインパクトの強いビジュアルイメージを挿入するなどし、会社の独自性を伝えています。女性下着ブランドの多くはオシャレなイメージが多いので、このような広報PR施策で差別化できた事例です。

参考:「ヘブンジャパン?知らんけど。」そんな方にもクスッと笑いながら見てほしいー。大阪の下着屋さんがそんな想いで本気で作った10枚のユニークなポスターを公開。

ユーザー会 株式会社岡田商会

まとめ:「伝えたいこと」と「求められていること」の重なりを見つけるのが広報PRの役割

1本のプレスリリース配信が会社の大きな転換点となったという岡山さんのお話から、広報PRの力をあらためて実感できたセミナーでした。

今回のセミナーにおけるポイントはこちらの4つです。

  • 商品やサービスには、差別化と付加価値が不可欠
  • 良い商品ができても、広報PRを通して知ってもらうことが必要
  • プレスリリース配信は認知度向上だけでなく、新たなビジネスチャンスにつながる
  • 自社が伝えたい情報と、お客さまが求めている情報を調査し、その重なりをうまく伝えることが広報PRの役割

中小企業にとっての広報PRのヒントをたくさん学ぶことができたのではないでしょうか。自社でできていること、これから取り組みたい課題に合わせて、ぜひ明日から取り入れてみてください。

]]>
https://prtimes.jp/magazine/exchange-meeting-240823/feed/ 0
地域の集客戦略で重要な5つのポイントとは?ステップに分けたやり方や具体的な10個の手法を解説 https://prtimes.jp/magazine/region-attract-customers/ https://prtimes.jp/magazine/region-attract-customers/#respond Mon, 09 Sep 2024 00:00:00 +0000 https://prtimes.jp/magazine/?p=48646 地域の集客戦略の効果を高めるには、商圏の設定や分析が欠かせません。しかし、ただ漠然と取り組むだけでは、期待する集客の成果を得ることは難しいでしょう。

本記事では、地域集客を成功に導くためのエリアマーケティングの手法を3つのステップに分けて解説します。

商圏設定や地域の特性を踏まえたターゲティングから、利用者のニーズに基づいたプロモーション施策まで、実践的な方法を紹介します。地域密着型のビジネスにおいて、集客の最大化を図りたい方は参考にしてください。

地域の集客戦略を検討する際に重要な5つのポイント

地域の集客戦略を成功させるには、適切な商圏設定と分析や対象地域の特性の把握などが必要です。さらに、対象地域の住民や利用者のニーズに合ったサービスや、プロモーションの提供も不可欠でしょう。ここでは、地域の集客戦略検討の際に重要なポイントを5つ紹介します。集客の最大化に必要な内容ですので、チェックしてみてください。

ポイント

ポイント1.商圏を設定し、分析する

商圏設定は、地域の集客戦略の勝算を分ける重要なポイントでもあるため、適切な設定と分析が大切です。

商圏とは、狙った対象顧客が集まる地理的範囲のことです。この範囲を正確に設定することで、狙った顧客層のニーズや動向を的確にキャッチし、効果的なマーケティング戦略を立てる基盤が築けます。

商圏の設定方法には、Google マップなどの地図アプリを活用し範囲を視覚的に把握する方法や、既存顧客や過去の利用者データなどを活用して行う方法があります。商圏範囲は展開するビジネスの種類によって異なりますが、日常的な利用が考えられるお店やサービスの場合は、一次商圏(目的地まで徒歩15分以内に移動できる範囲)を設定するのが一般的です。一方で、提供するサービスの希少性や独自性が高い場合には、二次商圏(自転車や車で15分以内に移動できる範囲)や三次商圏(電車や車で40分程度かそれ以上での移動)での設定を視野に入れるとよいでしょう。

商圏を正しく設定すると、対象地域の特性が把握しやすくなるため、近隣エリアとの差別化戦略が立てやすくなります。さらに、対象地域の人口動態や対象顧客の消費動向についても、細かく分析を進めることが可能になり、対象顧客のニーズに合わせた商品やサービスを企画したり、効率的な集客施策の判断材料が多く得られたりするでしょう。

ポイント2.対象地域内のお店やサービスの調査・分析

対象地域内の既存店やサービスの調査や分析も必要です。対象地域内の既存店やサービスの強みや弱みを把握することで、近隣エリアと差別化できるポイントが明確になります。

例えば、対象地域内の既存店舗が今までに提供したことのないサービスを見つけ出して強化すれば、競争優位につながるでしょう。

さらに、地元の企業やお店との連携やコラボレーションの可能性を探ることで、地域全体の魅力を高め集客の最大化を図ることもできるでしょう。事前に地元企業とのネットワークを構築しておくことで、地域に密着したプロモーション活動が展開でき、住民の支持も得やすくなります。

反対に、これらの調査や分析をせずに集客戦略を立案した場合、近隣エリアとの価格競争に巻き込まれやすくなったり、対象顧客のニーズに合わない商品やサービスを提供してしまったりする可能性があります。対象地域内の店舗やサービスを綿密に調査し、それに基づいた戦略を立てることが、集客戦略の成功に直結するといえるでしょう。

ポイント3.地域に訪れる対象利用者やそのニーズを把握する

効果の見込める集客戦略にするためには、想定される利用者や訪問者の需要やニーズを正確に把握することが不可欠です。地域によって特性や文化なども異なるため、対象地域に求められている需要やニーズに沿った、集客戦略を立案しましょう。

対象顧客のニーズや需要を探るには、アンケート調査なども有効です。Google フォームやSNSを活用したオンラインアンケートなどを実施することで、狙った顧客層のリアルなライフスタイルや動向を知ることができます。アンケート調査の結果を集計する際には、調査対象の属性や対象地域に訪れる頻度(居住の有無)ごとに分けると分析しやすくなるでしょう。

ニーズや需要に対して迅速に対応することで、近隣地域との差別化を図れるうえ、競争力の維持やブランディング強化にもつながります。

ポイント4.アクセスの確認

アクセスの良さは顧客の利便性を左右し、集客力に大きな影響を与えます。交通の便について確認する際には、以下のポイントを押さえておきましょう。

  • 利用可能な公共交通機関の詳細
  • 近隣駐車場の状況
  • 自転車や徒歩圏内の環境

特に、利用可能な公共交通機関や駐車場についての把握は大切です。郊外や地方の場合、公共交通機関や車を利用して訪れる利用者が多いでしょう。利用可能な乗り入れ路線やバスの有無、始発や終電の時間なども調べておくことで、環境要因での課題が見つけやすくなります。

対象エリア内の駐車場の整備についても確認しましょう。駐車場や駐車スペースが整備されていない場合、顧客は利便性の低さを感じ満足度が下がりやすい傾向にあります。同時に、自転車や徒歩圏内の環境についても確認が必要です。自転車や徒歩での利用者は目的地と居住地が近い可能性が高く、リピーターになりやすい層ともいえるでしょう。顧客満足度を上げてリピーターが増えれば集客の安定化につながりやすくなるため、駐輪場などの整備が必要であれば検討しましょう。

交通が不便な地域の場合は、シャトルバスの運行や送迎サービスを提供することでアクセス面を補強できます。交通の便の整備により、顧客の利便性が確保されれば、リピート率の向上にもつながるでしょう。

ポイント5.対象地域の特性を調べる

人口動態、文化的背景、経済状況、ライフスタイルなどの特性は地域ごとに異なり、それらの特性が顧客のニーズや行動パターンに大きな影響を与えています。対象地域の特性をしっかりと調査しておくことで、地域集客に成功しやすくなるでしょう。

例えば、高齢者が多い地域では、シニア向けのサービスやバリアフリーな施設であることが選ばれるポイントとなり、若年層が多い地域ではトレンドに敏感な商品やSNSを活用したプロモーションが効果的です。

また、対象地域内のお店や地域イベント、インフラ状況なども調査しておくことで、どのようなアプローチが顧客にとって効果的かを判断することもできるでしょう。対象地域の特性に合った施策を展開することで、地域住民に受け入れられやすいサービスを提供し、集客力を高められます。

地域集客できるエリアマーケティングのやり方をステップに分けて紹介

地域集客におけるエリアマーケティングは、ステップに沿って計画的に進めることが重要です。対象エリアの特性や顧客ニーズを分析し、適切な集客戦略を練ることで、効果的なアプローチが可能となります。段階的な施策実行により、反応を見ながら改善を重ねることで、成果の最大化が図れるでしょう。ここでは、地域集客におけるエリアマーケティングのやり方を3つのステップに分けて紹介します。

商圏調査・分析

STEP1.商圏調査・分析

商圏調査・分析は、エリアマーケティングの基盤となる重要なステップです。まず、対象とする商圏を設定し、その範囲内の人口動態(年齢、性別、所得水準など)や世帯数、地域の特性を把握します。

次に、対象エリア内の既存店やサービス施設などの状況を調査し、どの店舗やサービスがどのような顧客層を対象にしているかも分析しましょう。また、地域の交通インフラ(駅、バス停、駐車場など)の利便性を確認し、アクセス性を評価することも大切です。

これにより、対象利用者の集まりやすいエリアや、ニーズの高いサービスの提供が可能なエリアを特定できるでしょう。さらに、既存顧客のデータも活用し利用傾向などを分析することで、どの地域からの来客が多いかを把握できます。これらのデータに基づいて商圏分析をすることで、最適な集客エリアを明確にし、効果的な戦略の企画や立案につなげられるでしょう。

STEP2.集客戦略の企画・立案

商圏調査・分析に基づいて、集客戦略を企画・立案しましょう。集客戦略では、対象とする顧客層にもっとも響くプロモーションやメッセージの設定が重要です。

例えば、若年層が多いエリアでは、SNSを活用したデジタルマーケティングやポップカルチャーに関連するイベントなどがよいでしょう。一方、高齢者が多いエリアでは、地域新聞やダイレクトメールなどが有効といえます。

また、集客施策を実施するタイミングや頻度も考慮することが大切です。タイミングや頻度を考慮することで、地域イベントや季節に合わせた施策効果を高めることが可能になり、集客の最大化が見込めるでしょう。

さらに、特典や割引、限定商品の提供をあわせて実施すると、新規顧客の獲得やリピーターの増加を図ることもできます。集客戦略を企画・立案する際には、顧客のニーズや近隣地域などとの差別化を意識しつつ、商圏内での認知拡大を目指すことが大切です。

STEP3.集客施策結果の振り返り・見直し

集客施策の実施後は、その結果を振り返り、見直しを行うことが大切です。まず、集客施策の効果を測定するための指標(KPI)を設定します。例えば、利用者数や顧客満足度、SNSへのアクセス数などの反応を見るのがよいでしょう。

次に、これらのデータを分析し、目標と実績のギャップを確認します。施策が成功した場合は、成功要因を特定し、次回以降の戦略に取り入れましょう。一方で、効果が低かった施策は、原因を探り改善点を洗い出します。原因や改善点の洗い出しには、利用者へのアンケート調査なども有効です。

アンケート調査は、オンライン(SNSやメールマガジンなど)とオフライン(街頭調査やダイレクトメールなど)両方で実施するのが望ましいでしょう。アンケート結果を集計する際には、利用者層ごとに集計結果を分析するのがおすすめです。さらに、対象地域の環境変化なども定期的にチェックし、集客施策が常に最適化されるような見直しを実施していくことも大切です。

このPDCAサイクルを繰り返すことで、効果的な集客戦略を強化し続けられるうえ、地域に根づいた集客活動を展開できるでしょう。

オンラインで地域集客を行う6つの施策

オンラインで集客施策を行うメリットは、狙った対象利用者に対し、効率的かつ広範囲にリーチできることです。SNSや広告をはじめ、ここであげる6つの施策を活用することで、特定エリアに絞った的確な情報発信ができるうえ、低コストで集客効果を高められます。それぞれの特徴を考慮しながら、自社に合った方法を取り入れてみましょう。

MEO対策

MEO(Map Engine Optimization)対策とは、Google マップやGoogle ビジネスでの検索結果を上位表示させ最適化を図る対策です。

適切なMEO対策をすることで、オーガニック検索した結果よりも上位表示されやすくなるうえ、Google マップの検索結果においても上位表示を狙えます。

MEO対策は、新規利用者や訪問者の認知度・視認性の向上など、地域に特化したターゲティングを可能にすることが目的です。さらに、口コミやレビューの管理もできるため、利用者からの信頼性やブランディングにつなげやすいメリットもあります。MEO対策は、担当者がGoogle ビジネスプロフィールへ登録することで簡単に始められるうえ、最初は複雑な専門知識も必要ないため、外注にかかるコストなども抑えられるでしょう。

以下の記事では、MEO対策の具体的な方法や注意点などについて詳しく記載されています。これからMEO対策を始める担当者などは、参考にしてみてください。

公式ホームページ

公式ホームページは必要な情報を網羅的に発信できるプラットフォームであり、顧客が必要な情報をまとめて確認できる利便性がメリットです。営業時間や所在地をはじめ、提供するサービスやキャンペーン情報などを掲載することで、企業としての信頼感を顧客に与えることもできるでしょう。

また、公式ホームページを運用する際には、SEO対策もすることが大切です。SEO対策をすることで、地域名や関連キーワードで検索した際に上位表示される可能性が高まり、集客力が向上しやすくなります。さらに、公式ホームページを持つことで、SNSやオンライン広告と連携することもできるため、効率的な集客強化が実施できるでしょう。

例えば、SNSでの告知からホームページに誘導し、詳細情報の提供や最新のキャンペーン情報を確認できる動線を作ることで、顧客の利便性を高められます。加えて、顧客からの問い合わせや予約などをオンラインで受け付けることで、来店意欲の促進や自社の集客力強化にもなるでしょう。公式ホームページは、顧客との信頼関係を築き、持続的な集客を実現するための基盤ともいえます。

Web広告

地域集客には、Web広告を活用するのがおすすめです。Web広告は効果測定ができることや、オフライン広告よりも低コストで運用できるメリットがあります。なかでもリスティング広告とディスプレイ広告は、細かい配信地域の設定が可能なのもメリットです。都道府県や市区町村をはじめ、指定の駅から半径◯km以内など細かく設定できるため、対象地域や利用者に合った配信内容を設定できるのが魅力でしょう。

リスティング広告は、ユーザーが特定のキーワード検索をした際に表示されるため、顕在層に的確に情報を届けることができます。リピートが見込めるサービス内容や、優位性のある強みを持っている地域では、特に効果が期待できるでしょう。

ディスプレイ広告は、画像や動画とテキストを組み合わせて表示できるため、視覚的にアプローチできるのがメリットです。潜在層への認知拡大が狙えるため、新規利用者を増やしたい場合に有効な方法といえます。

近年では、利用者の位置情報をもとに広告を配信できる、ジオターゲティング広告の利用もおすすめです。ユーザーの行動履歴などリアルな動向データを活用できるため、地域集客との親和性の高さも魅力でしょう。

SNS運用

SNSを活用する際は、各SNSツールの特性に合った投稿内容や配信頻度などを意識することが大切です。

SNSで集客を増やしたい場合は、各SNSアカウントのフォロワー数を獲得する必要があります。フォロワー数を伸ばすためには、魅力的な投稿内容にするのはもちろんですが、アカウントのプロフィールを充実させることも大切です。

プロフィールを記載する際には、どのようなアカウントなのかが簡潔かつ具体的に明記されていることが重要です。地域名や業種だけでなく、フォローすることで得られるメリットも記載しましょう。例えば、SNS限定の割引クーポンがあることや、該当サービスの最新情報が得られるなど具体的に明記することが大切です。

InstagramやYouTubeでは、地域との親和性が高いインフルエンサーなどとコラボレーションしたり、限定イベントを開催したりするのもよいでしょう。インフルエンサーを選定する際には、インフルエンサーのフォロワーが求める利用者層と一致していることが重要です。フォロワーが求める利用者層と一致していれば、新規利用者の増加だけでなく、今後リピーターにつながる可能性も高くなるでしょう。

LINE公式アカウントは、幅広い年齢層の利用と、開封率の高さが見込めるため、リピーター確保に有効です。友だち追加特典などを用意することで、登録者数を増やしやすくなるため、ぜひ活用しましょう。

プレスリリース配信

プレスリリースの配信は、信頼性の高い情報提供ができることと、顕在層への認知拡大につながりやすいことがメリットです。配信したプレスリリースが、地域メディアやニュースサイト、SNSなどで取り上げられれば、さらに多くの潜在顧客に情報を届けることもできます。

特に、地域住民にとって地元メディアは、信頼できる情報源のひとつでもあるため、掲載されればブランドやサービスへの信頼度が向上しやすくなるでしょう。

また、イベントの開催や限定キャンペーンの告知などを定期的に発信することで、狙った顧客層の関心が高まり、来店や利用を促進できるでしょう。さらに、地域ならではのエピソードや写真、動画なども掲載することで、利用者のロイヤルティを高める効果も期待できます。

プレスリリースの配信によりSEO効果も期待できるため、検索エンジン上でのパブリシティを高めることも可能です。さらに、配信したプレスリリースを自社の公式ホームページやSNSでも取り上げることで、オンラインでの情報発信の強化につながります。

ポータルサイト掲載

関連分野のポータルサイトに掲載することで、新規利用者に効率的にリーチできるうえ、認知拡大のメリットがあります。ポータルサイトは、特定の地域や業種に関心のあるユーザーが集まるプラットフォームであり、検索エンジンにおいて上位表示を獲得していることも多いため、顧客とのタッチポイントを大幅に増やすことが可能です。自社の公式ホームページだけではリーチできない潜在顧客へのアプローチにもつながるでしょう。

ポータルサイトではレビュー機能がついていることも多いため、高評価を獲得できれば顧客の信頼を得やすくなり、利用者の増加も見込めます。

また、ポータルサイトには地域特化のクーポンやキャンペーン情報を掲載できることが多く、これを活用して利用促進や特定期間の集客強化が図れるのも魅力です。

オフライン(アナログ)で地域集客を行う4つの施策

オフラインによる集客施策は、直接的な接触により顧客との信頼関係が築きやすく、地域密着型のアプローチができるのが魅力です。ここで挙げる4つの施策を実施することで、顧客に強い印象を残せるでしょう。集客を増やしたい顧客層に合わせ、オンラインでの施策とも組み合わせながら実施するのがおすすめです。

ポスティング

チラシやビラの配布は、対象地域の潜在層への認知拡大につながります。配布物を作成する際に、掲載内容を工夫することで、狙った対象者を効率的に集客することもできるでしょう。

ポスティングは比較的短期間での集客効果が得やすい半面、伝わりにくい内容であれば、すぐに破棄されてしまう懸念もあります。

配布物に目を通してもらうためには、こだわりや特別感を感じる掲載写真やデザイン構成、文章などを採用することが大切です。さらに、配布物を見て、どんな対象者に向けた内容かが伝わることも意識しましょう。

例えば、ファミリー層を対象とした屋外イベントであれば、掲載する写真やイラストを子どもが好むテイストにしたり、文字は丸みのある可愛らしいフォントを使用したりする工夫もできます。

また、配布物には、公式ホームページやSNSに誘導できるQRコード(二次元コード)なども掲載しておくとよいでしょう。フォローにつながれば、たとえ破棄されてしまっても最新情報を届けられる機会があるため、利用のきっかけづくりになり得ます。

ダイレクトメール

ダイレクトメールは、特定の地域や対象者を絞り込んで直接アプローチできるため、地域集客を増やすのに適した施策のひとつです。

対象地域に住んでいる人や訪問履歴のある顧客などに送付することで、再来店や再利用などの促進につながります。さらに、限定オファーやクーポンなども同封しておくことで、受け取る側に特別感を感じてもらえるため、集客効果を高められるでしょう。

また、ダイレクトメールは視覚的な訴求力も高いため、デザインやフォントなども工夫することが大切です。デザインを決める際には、強みや独自性を伝えるだけでなく、送付する顧客に合った内容を意識するとよいでしょう。例えば、中高年以上の顧客に送付する場合は、落ち着いたカラーをベースにしたメッセージカードなどに四季を感じる花や風景写真などを掲載するのもおすすめです。

オンライン上での配布物と異なり、物理的な存在感があり手元に残るダイレクトメールは、後々見直して利用される可能性もあるため、デザインや文章など細部にまでこだわった内容にしましょう。

看板

看板は、設置するだけで視覚的なアプローチができるのがメリットです。看板を設置することで、お店やサービスの存在を看板を目にした多くの人に知らせることができ、潜在層への認知のきっかけづくりに役立ちます

看板を作製する際には、ぱっと目をひくデザインや、印象に残るキャッチコピーを使用することで記憶に残りやすくなり認知度を高められるでしょう。看板のデザインは、お店やサービスなどのコンセプトから大きく外れないものを選択することも大切です。

活用する看板は、道路サイド看板と店舗前看板(A型看板)がよいでしょう。道路サイド看板は、通行人や運転者などに向けて設置する大型看板のため、視認性が高く、多くの潜在層の認知につなげられるのが特徴です。加えて、店舗や施設前に小型のA型看板を設置しておくことで、営業時間やメニューなどの詳細情報の告知もできます。A型看板は、具体的な内容を伝えられるため、即時利用を促進できるのが魅力です。

2種類をセットで用意することで、広範囲と身近な範囲へのアプローチを同時にできるメリットがあります。

イベント

イベントの開催は、顧客との直接的な接点を創出し、ブランドやサービスへの関心を高められるメリットがあります。

イベントは地域住民が参加しやすい場を提供し、楽しみながら商品やサービスに触れる機会といえます。例えば、季節にちなんだフェアやワークショップ、試食会やデモンストレーションを開催することで、潜在顧客が集まりやすくなります。さらに、体験を通じて自社やブランドなどへの理解や好感を深めるきっかけにもなるでしょう。

また、イベントは口コミやSNSでのシェアが広がりやすいため、さらなる集客効果を期待できるのも特徴です。イベント開催時に特典や限定商品があることを周知することで、来場動機を強化し、リピーターも獲得しやすくなるでしょう。

定期的にイベントを開催することで、参加者との信頼関係を築き、継続的な来店を促進することもできます。イベントは地域全体や顧客との結びつきを強めると同時に、狙った顧客層を集客できる手段のひとつといえるでしょう。

地域の集客戦略成功は適切な商圏分析と集客施策の実施がカギ

地域での集客戦略を成功させるには、対象となる商圏の徹底した分析と設定が不可欠です。また、人口動態や地域特性を把握することで、最適な施策が見えやすくなり、施策実施後の結果検証にも役立ちます。

そのうえで、MEO対策やSNS運用、ダイレクトメールなど、オンラインとオフラインの両方で集客施策を展開することで、狙った顧客層の集客につながりやすくなります。さらに、定期的なプレスリリースの配信により、地域メディアや潜在顧客への認知拡大を図り、信頼性の高い集客活動を実現することも重要です。効果的な広報PR活動を継続し、集客効果の最大化を目指しましょう。

]]>
https://prtimes.jp/magazine/region-attract-customers/feed/ 0
事業譲渡のプレスリリースの書き方は?5つの項目・ポイント・広報PR事例を紹介 https://prtimes.jp/magazine/press-release-business-transfer/ https://prtimes.jp/magazine/press-release-business-transfer/#respond Fri, 06 Sep 2024 00:00:00 +0000 https://prtimes.jp/magazine/?p=48376 事業の一部またはすべてをほかの会社に売却する「事業譲渡」。企業にとって大きな経営戦略であるため、対外的な発信は欠かせません。代表的な広報PR施策としてプレスリリース配信がありますが、必要な記載項目や注意点など、配慮すべき点もあります。

本記事では事業譲渡に関するプレスリリース作成時に押さえておきたいポイントなどを、「PR TIMES」社員の監修のもと細かく解説。参考になるプレスリリース事例も含めて紹介します。

事業譲渡の際にプレスリリースを配信するメリット

事業譲渡の理由は企業によってさまざまですが、プレスリリースできちんと背景や目的を伝えることで、ステークホルダーへの信頼を担保できます。また、事業売却によって得た資金を負債の返済や新事業への投資、メイン事業への注力にあてられるようになるため、経営の安定化や企業としての将来性を伝えるよい機会になるでしょう。

さらにプレスリリースがメディアに掲載されれば、自社製品やサービスを広く認知してもらうきっかけにもなります。譲渡先の企業も同時にプレスリリースを配信する場合は、先方のニュースソースやコミュニティにも情報が拡散され、より広い範囲に情報を届けられます。新たに自社に興味を持つステークホルダーとの出会いにつながるかもしれません。

プレスリリースを配信するメリット

事業譲渡に関するプレスリリースに含めたい5つの項目

では、事業譲渡に関するプレスリリースでは、どのような内容を記載すべきなのでしょうか。必ず入れたい項目や、入れるとより効果的な項目について、5つ紹介します。

項目1.事業譲渡の背景や目的

まず必ず記載したいのが、業を譲渡するに至った背景や目的の説明です。ほとんどの事業譲渡のプレスリリースに記載されていますが、詳細に記載している場合もあれば、あえて明示しない場合もあるなど、いろいろなパターンがあります。自社の事情に合わせて可能な範囲で説明しましょう。

また、譲渡先の企業を選定した理由も併せて記載することで、説得力が高まります。その際、双方の代表者のコメントとして、事業譲渡によって実現することや、自社が目指す将来像などを加えると、より一層経営戦略への期待が高まるでしょう。

項目2.譲渡対象となる事業の概要

次に必須なのは、譲渡対象となる事業の概要です。製品やサービスの説明はもちろんのこと、例えば譲渡先が関連会社であったり、事業の一部が自社に残存したりする場合などは、譲渡する範囲も明確に記載する必要があります。また、従来製品・サービスでは可能だったことで、譲渡により変更が生じるポイントがあれば、それをわかりやすく説明することも重要です。

特に複雑なビジネスモデルや関係者の多い事業である場合、概念図やイラストなども活用して説明するとよいでしょう。

項目3.譲渡前後のスケジュール

事業譲渡に関するプレスリリースは、譲渡前に配信する場合と、譲渡完了後に配信する場合があります。譲渡前に配信する場合は、譲渡日までの流れやスケジュールを記載することもあり、特にサービスの移管などが発生するケースではスケジュールを周知する必要があります。

また、企業によっては取締役会決議日や基本合意書締結日などを記載し、きちんと段階を踏んで実施したことを明示するケースもあります。自社ではスケジュールの記載が必要かどうか、確認するとよいでしょう。

項目4.両社の企業情報

プレスリリースの後半に、事業譲渡側の企業と譲渡先の企業の情報を記載します。それぞれの企業の事業を簡潔に説明するとともに、代表者や所在地、企業公式サイトのURLなどの基本情報を掲載するとよいでしょう。

項目5.  譲渡に関する問い合わせ先

最後に今回の事業譲渡に関する問い合わせ先を記載します。メディアによってはすぐに連絡を取りたい場合もあるため、電話番号とメールアドレスの両方を記載しておくと安心です。その際、取材対応の可否や取材担当者も明記しておくとよいでしょう。

また、事業譲渡に関しての問い合わせではなく、製品やサービス自体に興味を持った方へ向けて、事業内容に関する問い合わせ先や担当者を記載しておくのもおすすめです。

事業譲渡に関するプレスリリース作成時の3つのポイント

事業譲渡に関するプレスリリースを作成するときには、どのようなことに留意すればよいでしょうか。3つのポイントを押さえて、確実に伝わるプレスリリースを作成しましょう。

ポイント

ポイント1.譲渡先企業と密に連携しながら準備する

事業譲渡を発表する際は、譲渡先の企業との密な連携が不可欠です。発表日時やプレスリリースの送付先メディアをはじめ、原稿は連名なのか、個別に発信するのかなど、あらゆる事項に合意を得ながら行う必要があります。

特にステークホルダーへの影響が想定される場合、すでに懸念点について検討のうえでの実施であること、そして仮に懸念される事態が起きた際に、どのように対応するかなどを明記することも、リスクマネジメントの観点からは重要になります。また、プレスリリースだけでなく記者発表会を行うのかなど、そのほかの広報PR施策についても連携して進めるとよいでしょう。

ポイント2.譲渡の背景や目的がわかるタイトルにする

事業譲渡や業務提携などのコーポレート情報を伝えるプレスリリースは、メディアに取り上げられにくい傾向があります。その理由として、タイトルに「企業名」と「事業譲渡」の要素しかない場合がほとんどで、譲渡の意図がイメージできないことが考えられます。

もちろん「企業名」と「事業譲渡」は必須ですが、その背景や目的などの要素を含んだタイトルにすると、より目に留まりやすくなり、掲載につながる可能性が高まります。なお、「譲渡契約締結」というワードを選んでいるケースも多いのですが、これではどちらの企業が譲渡側・譲受側かが不明のため、一目でわかる表現にするとより伝わりやすいでしょう。

ポイント3.画像などを取り入れ視覚的にも伝わりやすくする

事業譲渡に関するプレスリリースは、テキストだけでは無機質になりがちですが、画像などを取り入れることで目に留まりやすくなり、内容も効果的に伝わることが期待できます。特に両社の企業ロゴはメディア側でも使いやすいので、素材として用意しておくのがおすすめです。

加えて譲渡側と譲渡先の代表者が一緒に写っている写真があれば、好印象を与えることができます。また、事業の説明においても複雑なビジネスモデルの場合は図解すると親切です。譲渡の前後で体制などが変更になる場合は、ビフォアーアフターのイメージを掲載するとよいでしょう。

事業譲渡に関するプレスリリース事例3選

「PR TIMES」にて実際に配信された事業譲渡に関するプレスリリースの中から、参考にしたい事例を3つ紹介します。いずれも効果的に伝わるよう工夫された事例ですので、ぜひ作成の際の参考にしてみてください。

事例1.ペツルジャパン株式会社

  • 事業譲渡側のメンバーと譲受側の代表との写真が冒頭に掲載されている
  • 事業への思いやこれまでの歴史が丁寧に記載されている
  • 事業を表す印象的な写真や動画が紹介されている

参考:アルテリアからペツルへの事業譲渡

事例2.株式会社newn

  • 事業譲渡先の企業を選んだ理由に説得力がある
  • 譲渡側と譲受側の代表が写った画像を掲載している
  • 両社の代表のコメントを記載している

参考:newn、小柄女性向けブランド「COHINA(コヒナ)」をサザビーリーグに事業譲渡

事例3.花王株式会社

  • 事業譲渡を知らせるキャンペーン施策を行い、その施策を伝えるプレスリリースを配信している
  • 譲渡の経緯だけでなく、製品への思いやお客様へのメッセージを伝えている
  • 両社のロゴで事業譲渡を表現している
  • 製品のこれまでの歴史を画像で紹介している

参考:「ヘルシア事業の譲渡」で伝えたいこと。花王の想いをキリンのみなさんへ! メッセージトレイン運行

なお、譲受側のキリンホールディングス株式会社もプレスリリースを配信しています。併せて参考としてご覧ください。

参考:花王株式会社の茶カテキン飲料「ヘルシア」に関する事業譲受について

事業譲渡時に広報PR担当者が行いたい3つの広報PR施策

事業譲渡の際には、プレスリリース配信以外の広報PR施策も併せて行うことで、より効果的に情報発信することができます。広報PR担当者が行いたい3つの広報PR施策を紹介するので、プレスリリースの準備と並行して、施策の準備も進めておきましょう。ここでも譲渡先の企業と連携して進めることがポイントになります。

1.取引先への挨拶状を送る

事業譲渡が決まると、その事業の担当者が取引先に個別に連絡するのが一般的です。一方で、会社としても関連各所へ挨拶状を出すのが通例とされる業界も多いため、その場合は事業部と連携して挨拶状を作成し、発送します。

また、譲渡先の企業も新たな取引先として挨拶状を出す可能性があるため、認識を合わせておきましょう。発送するタイミングはプレスリリースの配信前後、または同日などさまざまなパターンがあります。自社や譲渡先の企業の事情に合わせて、適切なタイミングで行いましょう。

2.  記者発表会を開催する

メディア関係者に向けた記者発表会を開催する場合は、譲渡先の企業と合同で行うため、連携して準備する必要があります。記者発表会の日時・会場の決定から当日のタイムスケジュール、資料や備品の手配など、準備することは盛りだくさんです。また、当日はさまざまな質問がくると想定されるため、譲渡の背景だけでなく市場への影響などの数字やデータを用意し、しっかり回答できるようにしておくこともポイントです。

記者発表会で広報PR担当者が準備したい項目の詳細は、こちらの記事をご覧ください。

3.自社のWebサイトに掲載する

事業譲渡のプレスリリースを配信するタイミングで、自社のWebサイトの「ニュース」や「最新情報」のページにも同じ内容を掲載しましょう。これにより、株主や関連企業などメディア以外のステークホルダーにも情報を届けることができます。また、プレスリリースの配信をきっかけにWebサイトを訪れた方へ向けて、さらに詳しい情報を掲載するケースもあります。例えば、事業譲渡の経緯についての代表者や部門担当者のインタビューや、譲渡先の代表との対談などです。これらはプレスリリース配信前に準備しておくのがおすすめです。

より詳細なプレスリリースを自社のWebサイトに掲載する際のポイントは、以下の記事を参照ください。

まとめ:背景や目的が明確に伝わる書き方を意識する

事業譲渡に関するプレスリリースは、最低限の情報のみ掲載するケースが多い傾向があります。しかし、事業譲渡は重要な経営戦略なので、株主や関連業界などから注目を集めやすい機会です。メディアに取り上げられれば、企業や事業についての認知度を高めるきっかけになるかもしれません。本記事で紹介した項目やポイントを盛り込みながら情報密度を高めることで、メディアに与える印象はかなり変わるはずです。

そして何より事業譲渡の広報PRで重視すべきなのは、譲渡先の企業との連携です。一つひとつ合意を得ながら丁寧に進めることで、効果的な施策を行うことができるでしょう。

]]>
https://prtimes.jp/magazine/press-release-business-transfer/feed/ 0
BtoB広報にとって導入事例は貴重な発信素材|宮地正惠 https://prtimes.jp/magazine/contribution-2417/ https://prtimes.jp/magazine/contribution-2417/#respond Thu, 05 Sep 2024 00:00:00 +0000 https://prtimes.jp/magazine/?p=48579 本稿は、宮地正惠氏による寄稿です。

この10年でスタートアップ各社の広報PR活動は格段に活発化している中、株式会社カミナシの広報PRを担う宮地正惠氏には、スタートアップにおける広報PRについて執筆していただきました。

本記事では、「スタートアップ企業の広報PR担当者必見!フェーズごとに取り組みたい情報発信・プレスリリースを解説」に続き、BtoB企業に向けた導入事例の発信について執筆していただいています。

株式会社カミナシ 広報PR

宮地 正惠(Miyachi Masae)

BtoB/ITを中心に、ベンチャーやスタートアップでの広報立ち上げを複数社経験。広報歴は通算14年。カミナシのミッションに強く共感し、2020年6月より参画。ひとり広報として、広報戦略策定からメディアリレーション、事例取材、note立ち上げなど、プロダクト、コーポレート、採用広報の全領域を担当。現在はコーポレート、プロダクト広報をメインで担当し、広報の組織化に向けてチームづくりに注力している。

はじめに:BtoB企業における「導入事例」

BtoB製品やサービスの広報PRを担当している人のなかには、情報開発や発信ネタの創出に頭を悩ませたことがあるのではないでしょうか。「BtoCのサービスに比べて、新製品やキャンペーンなどのトピックが頻繁に発生しない」「製品の細かな機能改善やアップデートだとニュースになりづらい」など、悩みは尽きません。

そのようななかで、製品やサービスを導入いただいた企業の事例を発信する「導入事例」は重要な発信素材のひとつとなります。一方で、すでに導入事例に取り組んでいる人からは「なかなかお客さまにご協力いただけない」という声や「導入事例を発表するだけで終わってしまう」という声もよく聞きます。

今回は、導入事例をどのように広報PRとして発信していくかについてご紹介します。広報PR活動には正解がありませんし、ここで紹介していることがすべてでもありません。また、企業によっても組織体制や営業スタイルの違いなどもあるため、あくまで一例として参考にしていただければ幸いです。

BtoB企業が導入事例をプレスリリースにして発表するメリット

各社のサービスサイトには、そのサービスを導入した企業の「導入事例」が掲載されています。

そこには「なぜそのサービスを選定したのか」「導入してどのような成果があったか」などが紹介されており、検討しているお客さまが参考になる情報が公開されています。

これらの導入事例を広報PRとして活用しない手はありません。サービスサイトなどのオウンドメディアに掲載している導入事例を公開する際に、会社としての公式発表(=プレスリリースとして発表)も同時に行うことで広く情報を届けることができます。内容によってはそのままメディアに取り上げられ、ニュースになることもあります。

また、発信元は自社であっても、導入事例には実際に利用されている「お客さま(=第三者)の声」が入っていることから、発信することで自社の信頼性を高めることが期待できます。

BtoB企業が導入事例を配信する際のポイント

導入事例を発表するメリットを読み、「じゃあ、すべての導入事例をプレスリリースとして発表しよう!」と思われた方もいらっしゃることでしょう。しかし、プレスリリースとして発表する前に、PR TIMESが定めているサービスや商品の導入事例の公開に関する掲載基準があるので、まずはそちらを確認しましょう。

PR TIMESのコンテンツ掲載基準:サービスや商品の導入事例の公開に関する内容

導入事例には、内容によって大きく2つに分けられます。

①導入決定(〇〇社に導入されました)
②導入成果(〇〇社に導入され△△の成果が出ています)

「①導入決定」は、導入されたこと自体がニュースになる場合です。また、「②導入成果」は、導入直後ではなく活用が進んで成果が見えた段階で発表するものです。

プレスリリースとして発表する際に、ニュースバリューを持たせるために気をつけるポイントがあります。簡単にいうと、「どこがすごいポイントか?」が言えるかどうかです。

たとえば「①導入決定」の場合、単に「導入された」という内容で配信できるのは、導入先が行政や官公庁などの公的な機関や誰もが知る著名企業など、導入されただけで社会にインパクトが与えられるところです。

では、それ以外で導入事例での「すごいポイント」はどういうところにあるのでしょうか。一例を記載します。

  • その業界での導入発表は初(新規性)
  • 珍しい使われ方などギャップがある(意外性)
  • 際立った成果があった(優位性)
  • 時流に合った使われ方をしている(季節性)

「新規性」や「意外性」などのメディアフックについては、こちらの『PR TIMES MAGAZINE』の記事で解説されていますのでぜひ読んでみてください。

また、導入事例のプレスリリースの作り方自体がわからないという方は、こちらのページを参考にしてみてください。

このページにも記載されていますが、特に導入事例をメディアに提案するにあたっては、どのような成果があったのかを「定量的に」「Before/After」が伝えられることがポイントとなります。

参考にしたいBtoB企業の導入事例プレスリリース

ここからは、参考になるBtoB企業の導入事例のプレスリリース例を「導入決定」「導入成果」と2つに分けてご紹介します。

すべてに共通しているのは、定量的な情報がタイトルから入っていることです。どのくらいの規模に導入されたのか、どのような成果が得られたのかが伝わるようになっていますので、ぜひ参考にしてみてください。

<導入>

事例1.株式会社ラフール

株式会社ラフール

参考:しずおかフィナンシャルグループ、全役職員6,500名を対象に組織改善ツール「ラフールサーベイ」を採用

事例2.Sansan株式会社

Sansan株式会社

参考:バンダイナムコホールディングスが営業DXサービス「Sansan」をグループ43社に導入


<導入成果>

事例1.株式会社スタディスト

株式会社スタディスト

参考:まいばすけっと978店舗で紙マニュアル廃止へ

事例2.株式会社カミナシ

株式会社カミナシ

参考:酒造メーカーの日本盛が『カミナシ』導入により、年間223時間の業務時間を削減

BtoB企業の導入事例プレスリリースにおいてよくある質問

過去に自分も悩んだポイントだったり、他社の広報PR担当者の皆さんによく質問されるもの、PR TIMESによく寄せられる質問も教えていただきまとめました。

導入された時点で発表しなくてもよいのか?

「導入された時点で発表しなくてはいけない」というルールはありません。

導入された時点でニュースになると判断した場合は、導入発表を行いましょう。サービスや製品によっては導入から1年以上かけてようやく成果が見えてくる性質のものもあります。その場合は、「導入成果」として発表しましょう。

お客さまに導入事例の協力を得ることができない

導入事例はお客さまのご協力あってこそです。お客さまからの理解や協力が得られない限り、発表することもできません。

さらに、お客さまとコンタクトをとっている営業担当者やサポート部門との連携が必須になります。たとえば商談や契約時に、営業担当者から広報PR活動への協力を得られるような交渉をしてもらったり、サポート部門がお客さまとの関係を構築して協力を得られやすい状況にしてもらうなど、他部門の協力は不可欠です。まずはそれらの部門と連携することをおすすめします。

メディアアプローチはどの媒体にどのタイミングで実施すべきか?

企業によってもスタンスが違うため、一概に正解はありません。

アプローチ先はその導入事例が特定の業界や地域に関わるものであれば、その業界の専門媒体や地方メディアになります。また、アプローチするタイミングは媒体の特性に合わせて行います。たとえば、速報性を求めるメディアであれば発表前後に行ったり、専門的な深掘りする記事が多い業界紙などの専門媒体の場合は、発表後しばらく経ってもアプローチすることも十分あり得ます。

発表後の導入事例を広報活動でどう活用したらよいかわからない

プレスキットなどの紹介資料に事例をピックアップしてまとめる、記者からの要請に合わせて取材先として提案できるように導入事例をリスト化するなど、広報PR活動での活用方法はたくさんあります。

何より広報PR担当者自身が導入事例(お客さま)のことを熟知していると、記者との対話中にすぐに提案できることもあるため、なるべく導入事例は背景情報なども把握するように努めましょう。

まとめ:導入事例はBtoB広報にとって貴重な発信素材

導入事例はBtoB広報にとって貴重な発信素材のひとつです。導入事例そのものがまだ制作されていなかったり、サービスサイトだけに掲載している状態であれば、ぜひ広報PR活動にも活用できるように他部門との連携を図ったり、自らお客さまに交渉したりするなど、まずはアクションを起こしてみましょう。

]]>
https://prtimes.jp/magazine/contribution-2417/feed/ 0
新規事業の立ち上げプロセス7ステップとは?成功のポイントも解説 https://prtimes.jp/magazine/new-business-launch-process/ https://prtimes.jp/magazine/new-business-launch-process/#respond Wed, 04 Sep 2024 00:00:00 +0000 https://prtimes.jp/magazine/?p=48333 新規事業の立ち上げ」は、少人数で進めることが多く、限られたスケジュールの中で抱えるタスクが多くなりがちです。ここで紹介する立ち上げに必要な7つのプロセスは、いずれも重要な項目です。各プロセスをいかに効率よく的確に進めていくかが、新規事業立ち上げを成功に導く重要なポイントになります。

本記事では、新規事業の立ち上げの7つのステップと、事業を成功に導くための5つのポイントについて解説します。新規事業の立ち上げに関わる方や、立ち上げに向けて進めている方などは、ぜひ参考にしてみてください。

新規事業の立ち上げプロセス7STEP

新規事業の立ち上げには、立ち上げメンバーの決定をはじめ、アイデアの検討や事業計画の立案など、重要なステップが多くなります。ここでは、新規事業の立ち上げプロセスに必要な7つのステップについて解説します。

各ステップの内容を実行していくうえで必要となる具体的な方法についても触れていますので、ぜひ参考にしてみてください。

新規事業の立ち上げプロセス7STEP

STEP1.新規事業立ち上げメンバーの決定

新規事業を立ち上げる際の最初のステップは、立ち上げメンバーの決定です。今後新規事業を推進していく中で中心的役割を果たすメンバーになります。

始めは、アイデアの検討や市場調査、資金調達など、新規事業の核となる部分の検討や決定が必要になるため5人以内にとどめ、コミュニケーションの行き届きやすさを重視しましょう。

立ち上げ時の主要ポジションは、プロジェクトマネージャー、プロジェクトコーディネーター、プロジェクトリーダーです。

  • プロジェクトマネージャー
  • プロジェクトコーディネーター
  • プロジェクトリーダー

プロジェクトマネージャーは、新規事業全体の管理業務を担う統括総責任者です。内部管理だけではなく、対外的な交渉なども発生するため、全体を俯瞰できる視野を持ち、交渉力や決断力の高い人物であることがポイントになります。

プロジェクトマネージャーの補佐的な役割を担うプロジェクトコーディネーターは、比較的規模の大きい新規事業において必要になります。プロジェクトリーダーのリソースがとして組織内外における調整なども必要となるため、高いコミュニケーションスキルと交渉力などが必要なポジションといえるでしょう。

プロジェクトリーダーは、担当する領域に対する深い専門知識を持っており、チームメンバーの指揮をとっていく重要な役割を担います。リーダーシップを発揮してチームメンバーのサポートをしつつ事業を推進していくため、優れたリーダーシップがあり、担当業務における豊富な経験を持っている人物を選ぶことが大切です。

ポジションやその名称にこだわる必要はなく、どのような役割が必要になるのか、という観点で参考にしてみてください。

STEP2.新規事業のコンセプト・ビジョンの明確化

立ち上げメンバーをアサインしたら、新規事業のコンセプトやビジョンをメンバー全員がしっかり理解できるよう明確化し、わかりやすく言語化して伝えることが大切です。

ステップ3以降では、新規事業のコンセプトやビジョンをもとに、アイデアの検討や市場調査を行います。最終的には、具体的なビジネスプランや事業計画立案なども決定していく必要があるため、コンセプトやビジョンがブレないような管理体制をとることもポイントです。

コンセプトやビジョンから逸脱しないためには、このタイミングからフレームワークを活用するのもよいでしょう。フレームワークを活用することで、設定したコンセプトに沿って必要な情報や課題を明確化できるうえ、効率的に情報整理ができるため、コンセプトやビジョンから大きく外れてしまうことを防ぐことができます。

STEP3.アイデアの検討

コンセプトやビジョンに沿った内容に落とし込むため、新規事業の検討の段階においては、多くのアイデアを出しておく必要があります。固定観念を取り払い自由な発想を引き出すことでアイデアが出やすくなります。

このタイミングではアイデアの良し悪しを判断せず、アイデアの数を多く出すことに注力するのが大切なポイントです。同時に、アイデアの検討は多くの情報を整理しながら行う必要があるため、フレームワークなどを活用しながら進めるのもよいでしょう。

フレームワークとは、多くの情報を効率的に整理し分析するツールです。特に、新規事業においては扱う情報量が多いため、思考や検討の抜け・漏れが発生しやすくなります。フレームワークを活用することで、検討が必要な要素の見落としを防ぎやすくなるメリットもあります。さらに、メンバー内での情報共有もスムーズになるため、検討時間の削減にもつながるでしょう

フレームワークには多くの種類があるため、フレームワークの特徴に合わせて利用することが有効活用のポイントです。フレームワークについては、後ほど紹介する「新規事業の立ち上げに活用したいフレームワーク」にて解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

STEP4.市場調査・事業調査

新規事業のアイデアがまとまり始めたら、参入市場を絞り、市場調査や事業調査を実施しましょう。

市場調査では、参入する市場の規模や成長性、顧客数についての詳細な情報が直接入手できます。事業調査は市場調査の中で行われる調査のひとつで、対象市場で高いシェア率のある主要企業や競合企業の業績や動向調査などを行います。

市場調査には、「定量調査」と「定性調査」があります。

定量調査は、人数や割合、傾向などを数値化する手法で、市場の全体像を把握しやすいのがメリットといえるでしょう。具体的には、アンケート調査や街頭アンケートなどが定量調査にあたります。

定性調査は、対象者の発言や感想、行動といった数値化できないものを調査する方法です。定性調査は、対象者の声を直接聞ける貴重な機会になります。グループインタビューや電話インタビューなどは定性調査に該当します。

市場調査の際は、定量調査と定性調査のどちらも取り入れることで、対象者の声と数値による傾向などをバランスよく入手できるでしょう。市場調査の結果が出たら、対象顧客の需要や課題もあわせて検討する必要があります。需要や課題の明確化にはニーズ調査がおすすめです。対象顧客を中心にアンケート調査することで、顧客層ごとの課題や需要の傾向が見えるでしょう。

STEP5.ビジネスプラン・事業計画の立案

アイデアを検討し、市場や顧客についての調査や分析ができたら、ビジネスプランを整理し、事業計画を立てましょう。

事業計画立案の際に作成する事業計画書は、資金調達で融資を受ける際や助成金・補助金の申請時にも提出が必要になります。さらに、事業計画書は融資の際の審査基準にも大きく関わるため、情報の過不足なく綿密にまとめることが大切です。

良い事業計画書に仕上げるポイントは、事業内容を明確に可視化し、事業全体の見通しをわかりやすく示すことです。

事業計画の立案をスムーズにするには、フレームワークを使うのがおすすめです。フレームワークを活用することでビジネスプラン全体を整理し、必要な情報を効率的にピックアップできます。思考が整理されることで、事業計画書の作成もスムーズにできるでしょう。

STEP6.資金調達

事業規模にもよりますが、新規事業の立ち上げには数百万円〜数千万円の資金が必要になることもあります。立ち上げ資金の内訳は、当面の間の運営費用をはじめ、市場調査や競合調査費用、開発費なども含まれます。

新規事業立ち上げの際の具体的な資金調達方法は以下のとおりです。

  • 補助金や助成金
  • 金融機関からの融資

補助金や助成金は、国や地方自治体が実施している制度です。一定の条件を満たしていれば申請することができ、審査が通れば返済不要で助成や補助が受けられるのがメリットです。ただし、申請期間が限られていたり、審査が厳しいものもあるため、事前にしっかり調べ準備することが大切です。

補助金や助成金だけで足りない場合は、金融機関からの融資も検討しましょう。新規事業の立ち上げ資金は、日本政策金融公庫から融資を受けるのがおすすめです。日本政策金融公庫は、個人や中小企業の資金調達を支援する目的で設立されているため、比較的審査が通りやすいのがメリットです。さらに、民間銀行の融資よりも金利が低いことも魅力です。

STEP7.実行に必要なメンバーをアサイン

資金調達のめどがついたら、ビジネスプランと事業計画をもとに、新規事業の実行に必要なメンバーをアサインしましょう。

実行メンバーをアサインする際には、以下のポイントに留意して人選するのがおすすめです。

  • リーダーシップがある
  • 新規事業のビジョンやコンセプトに共感できる
  • 論理的思考を持っている

新規事業では、実行メンバーにおいても他部署や取引先など、内外との関わりが多くなります。そのため、プロジェクトマネージャーやプロジェクトリーダーだけでなく、実行メンバーにもリーダーシップが必要です。

また、立ち上げメンバーとともに新規事業を実行していくため、ビジョンやコンセプトに対してしっかり共感しているかどうかもポイントになります。

さらに、論理的思考を持っていることも大切です。新規事業では、社内外の人物やチームメンバーと冷静かつ論理的な意見交換が必要になることも多いでしょう。論理的に物事を捉えられる人物が集まることで、問題に対する解決性が高くなるメリットもあります。

新規事業の立ち上げを成功させる5つのポイント

どんな新規事業でも、立ち上げまでには多くのタスクが発生します。新規事業の立ち上げを成功に導くには、多くのプロセスをこなす中でも、特に5つのポイントを押さえておくことが重要です。

アイデアを検討するときやメンバーアサイン時のポイントや、補助金や助成金を有効活用する方法など、具体的なポイントについて解説していますので、ぜひチェックしてみてください。

新規事業の立ち上げを成功させる5つのポイント

ポイント1.必要なリソースの確認・把握

各工程における必要なリソースの把握は、新規事業を成功に導くための重要なポイントです。

リソースを把握するには、「ヒト・モノ・カネ・情報」の4つの経営資源ごとに可視化させることが大切です。

「ヒト」は新規事業に必要になる人材、「モノ」は製品や製品づくりに利用する機器などが該当し、「カネ」は新規事業にかかる運営費や人件費、設備投資などの資金全般を指します。「情報」は、顧客データや自社が持つノウハウだけでなく、地域とのつながりなど、無形の資産にも当てはまります。情報は扱い方によって価値が増すため、重要な経営資源のひとつと考えられているのも特徴です。

事業計画や収支計画を立てる際に、これら4つの経営資源を軸としたリソースがどのくらい必要なのかを理解しておくことで、事業計画や収支計画に落とし込みやすくなるでしょう。

ポイント2.事業撤退ラインを事前に決めておく

事業撤退ラインとは、事業の継続と撤退を判断する明確な基準です。

事業撤退ラインを設ける目的は、新規事業における損失を最低限におさえ、自社全体の経営悪化を避けるためです。そのため、事業の収支状態が悪化してから撤退を判断するのではなく、必ず新規事業立ち上げ時に事業撤退ラインを決めておくことが大切です。

事業規模などにもよりますが、具体的な撤退ラインの基準としては以下のようなものがあります。

  • ◯期連続で減収減益したら撤退
  • KPI計画に対し、◯ヵ月連続で基準を下回ったらメンバー交代の判断

事業継続か撤退かの判断期間は、資金などによっても異なりますが、具体的に決めておくことが重要です。事業の撤退時期を誤ると、既存事業をはじめ自社全体の経営状態が悪化する原因になります。

また、事業撤退ラインは、立ち上げメンバーと共有し合うことも大切です。あらかじめ共有しておくことで、メンバーのモチベーションアップにつながることもあるでしょう。

ポイント3.自社の強みを活かした事業プランにする

新規事業プランは、自社の持つ技術やサービスなどのリソースを活用すると成功しやすくなります。すでに持っているノウハウや設備などを応用するため、競合優位性を持ち市場に参入することができるのもメリットです。

例えば、ECサイトの運営により集客ノウハウがある既存事業の場合、新規事業としてECサイトの集客コンサルタント事業を立ち上げるプランは、自社のリソースを活用しているといえます。さらに、同市場におけるノウハウなども活かせるため、競合優位性を持った状態で市場に参入でき、成功しやすくなるでしょう。

既存事業とほぼ関わりのない事業を展開する場合、生産や流通、販売ラインなど、多くのリソースをゼロから開拓する必要があるため、収益化までに時間がかかる可能性が高くなるでしょう。

新規事業を立ち上げる際には、自社の強みを活かした事業内容にすることで成功しやすくなるため、自社の技術やサービスについて深く理解しておくことが大切です。

ポイント4.立ち上げメンバーは必要最低限の人数にとどめる

立ち上げメンバーに必要な人数は、事業規模にもよりますが、多くとも5人以内の少数精鋭で構成することが大切です。立ち上げメンバーは、アイデアの検討や市場調査、資金調達などの新規事業の核となる部分を進めていくことになるため、コミュニケーションが行き届きやすい人数にとどめておくのがよいでしょう。

立ち上げメンバーは、今後新規事業を運営していく中でも中心的役割を担うポジションになる人物です。さらに、立ち上げまでのプロセスは、メンバー全員が多忙を極めるため、途中でやむなくメンバー交代などが発生することのないよう、慎重に人選しましょう。

さらに、プロジェクトリーダーやプロジェクトコーディネーターなど、各ポジションの役割をしっかり担える人物を選定することも大切です。

ポイント5.補助金・助成金を活用する

新規事業の立ち上げには、多くの資金が必要になります。資金調達の手段の中でも、国や地方自治体が実施している助成金や補助金は返済不要で利用できるものが多く、立ち上げ後の運営資金を圧迫しない点もメリットです。

新規事業立ち上げの際に活用されることの多い補助金や助成金には、以下のものがあります。

  • キャリアアップ助成金
  • 創業助成金
  • IT導入補助金

キャリアアップ助成金は、従業員の処遇改善やキャリアアップにかかる費用の一部を助成する制度です。キャリアアップ助成金には大きく分けて2つのコースがあるため、事業規模や人員構成に合うコースの選択ができます。

創業助成金は、創業して5年以内の中小企業を対象とした助成金です。広告費や専門家指導費、従業員の雇用費などに対して支給されるため、新規事業立ち上げの際に活用しやすい助成金のひとつです。

新規事業立ち上げの際は、クラウドサービスや業務管理システムなどのITツール導入を検討することも増えるでしょう。IT導入補助金は、ITツールなどのサービス導入にかかる費用の一部を補助する制度です。おもに中小企業を対象とした補助金ですが、資格要件や補助金額などが年度によって変動することがあるため、事前にチェックしておきましょう。

助成金や補助金は種類が多く、立ち上げる業種などによっては活用できないものもあるので、事前にしっかりと調べておくことが必要です。

新規事業の立ち上げに活用したいフレームワーク

新規事業の立ち上げの際は、多くの課題解決や情報の整理が必要になります。さらに、分析や検討結果をもとに、スピード感ある意思決定が必要になることも多くなるでしょう。

フレームワークは、必要な情報を効率的に整理し、問題解決に向けての情報整理に活用しやすいツールです。活用することで思考の抜け・漏れを防ぎ、速やかな意思決定につなげられるメリットもあります。

フレームワークには、さまざまな種類があるため、新規事業立ち上げのプロセスに合ったものを活用することが大切です。例えば、アイデアを生み出すタイミングで利用することが多いブレインストーミングもフレームワークのひとつです。ブレインストーミングは、複数人で集まり、可能な限りアイデアを出し合う方法です。自分からは生まれない発想に出会えるうえ、アイデアを数多く生み出せるメリットがあります。

アイデアの整理だけでなく、市場の分析などといったマーケット調査に活用しやすいフレームワークもあります。

以下の記事では、新規事業立ち上げのプロセスに合うフレームワークやフレームワークを有効に活用するポイントについて解説しています。どんなフレームワークを活用するべきか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。

まとめ:新規事業は適切なプロセスと成功ポイントをおさえることで成功に近づく

新規事業の立ち上げを成功に導くには、適切なプロセスに沿って事業プランを進めていく必要があります。新規事業の立ち上げにおけるタスクは膨大なため、効率的なタスク管理や情報の整理が必要です。フレームワークなどを活用しながら、適宜必要な情報を整理しつつ進めましょう。

また、新規事業を成功させるためには、必要なリソースの把握や事業撤退ラインの設定など、いくつかのポイントをおさえておく必要があります。新規事業を成功に近づけられるよう、ポイントをチェックして事業を推進しましょう。

]]>
https://prtimes.jp/magazine/new-business-launch-process/feed/ 0
飲食店の集客方法10選|効果的なアイデアや成功させるポイントを解説 https://prtimes.jp/magazine/restaurant-attract-customers/ https://prtimes.jp/magazine/restaurant-attract-customers/#respond Mon, 02 Sep 2024 00:00:00 +0000 https://prtimes.jp/magazine/?p=48272 飲食店の経営において、集客を安定させることは重要な課題のひとつです。飲食業界はトレンドの移り変わりや競争が激しいため、安定した集客の維持に困難を感じている担当者も多いでしょう。

飲食店での集客を成功させるためには、対象顧客のニーズに応える施策の企画や、それに伴う市場動向や顧客需要の適切な分析が求められます。さらに、集客施策に面白みのあるアイデアを加えることで、競合との差別化を図ることもできるでしょう。

本記事では、飲食店の集客成功のポイントや具体的な集客方法について解説します。さらに、集客に活用できる面白いアイデアや成功事例も紹介しますので、参考にしてみてください。

飲食店の集客を成功させる3つのポイント

競合が多い飲食業界において、集客を成功させ維持するのは難しい課題のひとつでしょう。飲食店における集客を成功させるためには、3つのポイントを押さえたうえで施策を検討することが大切です。

SNSやチラシ配布などの思いつく集客施策をとりあえず実行していくと、お店のコンセプトに合う対象顧客層に届かない可能性も高いため、あまりおすすめできません。ここで紹介するポイントを参考に、集客施策の企画・立案を検討してみてはいかがでしょうか。

ポイント

ポイント1.コンセプトに合う対象顧客を明確にする

飲食店の集客を増やすポイントは、お店のコンセプトに合う顧客層を明確にすることです。お店のコンセプトやこだわりに興味・関心が高い顧客層を明確化し、対象顧客のニーズに合う施策を実行することで、狙った顧客層の集客につながりやすくなります。

対象顧客を明確化するには、お店のコンセプトや強みを言語化しながら、顧客層について検討を進めていくのがおすすめです。言語化した内容を整理し、具体的な顧客層に落とし込む際には、思考の整理に適したフレームワークを活用しながら進めるのもよいでしょう。

一時的に集客が増えても、お店のコンセプトに合わない顧客層が多い場合は、継続的な集客につながりにくくなります。中長期的な集客につなげるためには、お店のコンセプトに合う対象顧客の集客を着実に増やすことが大切です。

ポイント2.各対象顧客向けの集客施策の企画・立案をする

集客施策を企画・立案するうえで大切なのは、顧客層のニーズや需要に合った施策内容を用意することです。

新規顧客を対象とした施策であれば、まずは、お店のコンセプトやこだわりがわかりやすい施策にし、認知につなげる必要があります。実際にお店で提供しているメニューの試食会や、お店のコンセプトに合うイベントへの出店などもおすすめです。新規顧客の認知拡大におすすめの告知方法は、プレスリリースの配信やチラシ配布、広告などがあります。特にプレスリリースの配信は、幅広い顧客層にアプローチできるだけでなく、メディアなどから注目されるきっかけにもなり得るため、積極的に活用しましょう。

既存顧客の場合は、リピート率を上げる施策内容にすることが大切です。LINE公式アカウントやメールマガジンなどを活用し、限定クーポンを配布したり、限定メニューの試食が特別にできるなどの特典を付与するのが有効でしょう。しばらく来店がない既存顧客には、新メニューに使える割引クーポンなどを配布することで来店動機を促すことが大切です。

ポイント3.市場動向・顧客の需要を分析する

食への需要やニーズは、変化が激しい傾向にあります。集客を成功させるには、市場全体の動向や、対象顧客の需要を正しく分析し理解しておくことが大切です。特にコロナ禍以降は、飲食業界全体の需要やニーズが大きく変化しました。

店内の感染対策や清潔感、外食だけでなくテイクアウトやデリバリーなどへの需要やニーズの増加を考慮したお店づくりや、施策内容の実施が重要視されています。

飲食市場全体の動向を把握し、飲食店での集客課題の解決や施策を検討する際には、経済産業省の「飲食関連産業の動向」や日本フードサービス協会の「外食産業市場動向調査」などが参考になります。

さらに、顧客へのアンケート調査なども定期的に実施することで、市場全体の動向と顧客の需要やニーズの変化にいち早く対応できるでしょう。

飲食店の集客に使える面白いアイデア7選

飲食店の集客を増やすためには、面白いアイデアや、独創性を感じるアイデアの要素を施策に加えるのがおすすめです。

よくある施策の中に新規性を少し加えるだけで、興味や関心を引きやすい施策内容になることがあります。ここでは、集客施策の企画の際に参考になる、面白いアイデアや新規性の高いアイデアを7つご紹介します。

アイデア

1.目をひく店内装飾や料理

お店のコンセプトがしっかり伝わる料理や店内装飾にこだわることで、狙った顧客層の興味や関心をひき、集客アップにつながった事例です。

株式会社エー・ピーホールディングスでは、「目に楽しく食べて感動」を体現した名物メニューや変わり寿司など、目をひく料理を提供しています。さらに、見た目だけでなく質の高いネタをお手頃価格で提供することで、競合との差別化も図りながら、対象顧客とする地域住民が利用しやすい店づくりにしています。

店舗空間プロデュースを手がけている株式会社スパイスワークスホールディングスに依頼した、こだわりの店内装飾も同店のポイントです。

見た目や価格だけでなく、店内装飾にもこだわることで、競合との差別化に成功している事例といえるでしょう。

参考:庶民的なのに本物、本物なのにリーズナブルを叶えた“進化系”スシ酒場「スシとツマミ シチフク」が口福を携えて10/14㊍新浦安にグランドオープン!

2.産地直送のこだわり食材

お店のコンセプトやこだわりが感じられる厳選素材を使用し、期間限定メニューを取り入れた集客施策です。北海道のこだわりの食材を使った飲食店を経営する、株式会社イーストン。北海道の漁師から直送のカキとホタテをふんだんに使用した限定メニューは、ALL JAPANナチュラルチーズコンテストで優秀賞を受賞した、小林牧場のブルーチーズとコラボレーションしているのも特徴です。

生産者から直接仕入れているこだわり食材に他社の人気食材を加え、コラボレーション要素も取り入れたことで、対象顧客に限定メニューのさらなる特別感を与える施策といえるでしょう。

こだわり食材や珍しい食材を扱う飲食店にとって参考になる事例です。

参考:【北海道の美味しい冬がやってきた!】漁師から直送!!サロマ湖産カキ、常呂産ホタテを使った厳選素材を贅沢に使った期間限定メニューを北海道イタリアン ミアボッカで楽しもう!

3.テイクアウト

コロナ禍でリモートワークが増えたことで、テイクアウトやフードデリバリーの需要が一気に加速しました。コロナ禍後の出社率が戻った現在では、共働き世帯などを中心に、テイクアウトやフードデリバリーの需要は継続し続けています。

INTERSECT BY LEXUS – TOKYOでは、自宅でも外食と同様のラグジュアリーなクリスマスディナーが食べられるように、贅沢ビスク鍋を提供。同テイクアウトサービスでは、オマール海老やクエなどの高級食材が入ったビスク鍋を、鍋ごと提供するという新規性の高い提供スタイルが特徴的です。

同サービスでは、市場動向や顧客需要に応えたテイクアウトメニューの提案とともに、新規性の高い提供スタイルがポイントの好事例といえるでしょう。さらに、テイクアウトにおいての課題でもある冷めた料理の再現性の難しさを、鍋ごと提供することで温め直して美味しく食べられるという課題解決性の高さも魅力です。

参考:オマール海老やクエが入った贅沢ビスク鍋を鍋ごとテイクアウトで提供 INTERSECT BY LEXUS – TOKYO「クリスマステイクアウトメニュー」 11月30日(火)より予約開始

4.コラボレーション

新たな顧客層の開拓や、既存顧客へのニュース性を提供するのに有効なのがコラボレーション企画です。

株式会社トレンドファクトリーが手がける元祖ロールアイスクリーム専門店では、2021年9月25日より人気TVアニメ「ラブライブ!スーパースター!!」とのコラボレーションメニューの販売を開始しました。

キャラクターをイメージしたメニューだけでなく、オリジナルグッズなども同時販売し、話題性の高い企画といえます。さらに、期間内であればいつでも商品と引き換えができる方法を採用し、引換券も販売。話題性の高さだけでなく、「アイスを一度にたくさん食べるのが難しい」という商品が持つ懸念点を、期間中の継続的な集客につなげるというメリットに変換できた点も、参考にしたいポイントといえるでしょう。

コラボレーションメニューなどを検討しているお店は、ぜひ参考にしてみてください。

参考:現在放送中のTVアニメ『ラブライブ!スーパースター!!』とのコラボ決定!「ロールアイスクリームファクトリー」が全国8店舗で開催!

5.SDGs観点の集客施策

飲食業界におけるSDGs取り組みの必要性は、年々高まっています。日本発のフードテックベンチャーであるネクストミーツ株式会社では、SDGsの一環でもある代替肉分野において、日本企業で初めて世界最大級のテクノロジー見本市「CES2022」に出展。SDGsへの取り組みをフックとした集客施策を実施しました。

出展時には、現地の様子をオンラインでチェックできるよう現地会場とオンライン中継をつなぎ、新規顧客やメディアへの認知拡大も図っています。

同展では、代替肉のサンプリングだけでなく、アメリカでラーメンバーガーの開発に成功したシェフとの特別コラボレーションも実施。代替肉を使用した「ラーメンバーガー」も提供するなど、話題性のある企画を同時に実施した点もポイントといえるでしょう。

同社の世界的な認知拡大にもつながる集客施策は、国外での集客も視野に入れているお店や、SDGsへの取り組みを強化したいお店にとって参考になる事例です。

参考:【代替肉分野で日本企業初】世界最大級の展示会「CES2022」にネクストミーツが出展

6.季節に応じたプラン

シーズンイベントに合わせたプランや旬の食材を使用した限定メニューなど、季節にちなんだプランの提供は定期的なニュース性につながるため、飲食店にとって大切な取り組みです。

例えば、春に旬を迎える食材である「イチゴ」を使用した限定デザートの提供や、クリスマスシーズンにクリスマス限定ディナープランなどを企画することで、季節性のあるニュースを提供できます。

季節に応じたメニューやプランの提案は、新規顧客の獲得だけでなく、既存顧客やしばらく来店のない顧客の再来店促進にもつながりやすくなるでしょう。

以下の記事では、飲食店におすすめの季節に合わせたPR施策のアイデアを月別に紹介しています。一般的なシーズンイベントが少ない月こそ、面白みのあるオリジナルプランを企画し、競合との差別化を図ってみてはいかがでしょうか。

7.イベントの開催

食に関連するイベントへの出展や、独自イベントの開催もおすすめです。独自のイベントであれば、参加顧客との関係性が深まりやすく、リピート率向上などにつながりやすくなるでしょう。さらに、参加した顧客同士のコミュニティが生まれることもあり、そこから新規顧客の紹介などにつながることも考えられます。

お店のコンセプトに合ったイベントへの出展は、新規顧客の獲得につながりやすくなります。オンラインストアなども展開している飲食店では、あえて店舗所在地と離れた場所で開催するイベントに出展するのもおすすめです。遠隔地に住む顧客層への認知を広げることで、オンラインストアへの集客につながる可能性が高まるでしょう。

イベントへの出展や開催は、集客につなげたい顧客層に合った方法で企画や参加を検討することが大切です。

参考:初出店!アールグレイ専門店が作る​丹波和栗のプレミアムモンブランを10月27日(水)~11月8日(月)までの期間限定で丸井今井札幌本店で開催される催事「第128回 全国うまいもの大会」にて実演販売

飲食店で集客を行う手順をステップに分けて紹介

ここからは、飲食店で集客を行う手順を紹介します。ステップ1~3にまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。

STEP1.店舗の現状を可視化する

集客に取り組む際には、数値化・言語化した店舗の状況を可視化することが大切です。現状を可視化することで、集客課題について深く掘り下げた検討がしやすくなるメリットがあります。可視化する際には、以下の項目について確認しましょう。

  • 顧客層ごとの集客状況を数値化
  • 集客できている時間帯や曜日の可視化
  • メニューごとの注文率の洗い出し
  • 環境要因の洗い出し

まずは集客状況について、顧客層ごと(新規顧客・既存顧客)と、曜日や時間帯別の状況を可視化・言語化していきましょう。数値化する集客データは、1年間・半年・3ヵ月などの期間ごとに算出すると、集客状況の変化がわかりやすくなります。

顧客層別の集客状況が見えたら、メニューごとの洗い出しも必要です。メニューの洗い出しの際は、「過去1年間の注文率が◯%以下のメニューは精査対象」などと、精査基準を設けておきましょう。基準があることで、適切なタイミングでのメニュー内容の検討ができ、コストの最適化にもつながります。

現在の立地や出店エリアの客層、競合店の状況についても洗い出しましょう。立地が駅付近なのか住宅街なのか、出店エリアに多い層が主婦層かビジネスマンなのかなどについても可視化します。客層に関してはさらに踏み込み、年齢層や子ども連れの割合なども見ておくとよいでしょう。

STEP2.集客戦略の企画・立案

可視化した店舗の現状をもとに、集客戦略の企画・立案を行いましょう。集客戦略の企画・立案のポイントは、足りない顧客層に対しての戦略と、集客を維持させるべき顧客層への戦略をセットで検討することです。

増やしたい顧客層への施策のみになると、現在集客できている顧客層に対しての施策が滞りやすくなり、結果的に集客できていた顧客層を減少させる懸念があるため、注意しましょう。

集客戦略においては、ステップ1で可視化した各メニューの注文率などをもとに、新メニューや期間限定メニューなどの企画・立案も必要です。ただし、現在提供しているグランドメニューの注文率がそれほど悪くない場合には、無理に差し替えを進める必要はありません。期間限定メニューの追加や、コラボメニューの企画などでメニューにイベント性を持たせるとよいでしょう。

また、環境要因を考慮した戦略内容にすることも大切です。住宅街に立地している店舗が、平日昼間のランチタイムの集客が伸びない課題を解決する場合、フードデリバリーやテイクアウトを実施し、販路拡大を図るのもおすすめです。立地や対象エリアにいる客層などを変えることは難しいため、懸念点をメリットに変える戦略にする必要があるでしょう。

STEP3.戦略の実行・改善

集客戦略を実施したら、効果測定を行い、改善ポイントを検討することが重要です。まずは、実施後の集客状況の変化を可視化・言語化して振り返りを行いましょう。集客したい顧客層が増えているか、集客を維持したい顧客層は減っていないかなど、実行した戦略内容に沿って効果測定を進めていきます。

集客状況に改善が見られない場合には、要因の検討が必要です。検討するポイントは、戦略実行時のオペレーションと顧客の感想です。戦略内容が良かった場合でも、人員不足などによりオペレーションに問題がある場合、客の回転率などにも影響するため、十分な効果を得られない可能性が高くなります。

オペレーションに問題がない場合には、顧客の感想を調査しましょう。LINE公式アカウントやSNS、メールマガジンなどを活用し、アンケート調査を実施するのもおすすめです。アンケートの回答率を上げるため、回答した方に向けた特典も用意するとよいでしょう。アンケート結果から施策内容のどこに課題があったのかを分析すれば、次回の企画での改善点が明確化します。

分析イメージ

飲食店が実施したいオンラインでの集客方法5選

ここでは、飲食店におすすめのオンラインによる集客方法を紹介します。オンライン集客には、コストをかけず無料で運用できるものが多いのが特徴です。さらに、適切な方法で継続的に運用することで効果が出る方法も多いため、集客方法の特性を理解して活用しましょう。

公式ホームページの運用

画像や動画をはじめ、独自のコンテンツを自由に掲載できる公式ホームページは、お店のコンセプトやこだわりなどを表現しやすいのがメリットです。さらに、SNSやMEO対策の誘導先などとしても活用できるため、運用しておくことで自社の集客力アップにもつながります。

公式ホームページを運用するうえで大切なポイントは、適切なSEO対策と定期的なコンテンツ更新で、検索エンジンでの上位表示を狙うことです。

SEO対策のポイントは、適切なキーワード選定です。キーワード選定の際は、検索ボリューム数を目安のひとつにするとよいでしょう。一般的に、検索ボリュームが1000以下のものをスモールキーワード、5000以上のものをビッグキーワードといい、ビッグキーワードになるほど競合記事数が多くなります。スモールキーワードを選ぶことで競合数が少なくなり、検索結果でも上位表示を狙いやすくなるでしょう。

また、定期的なコンテンツ更新も重要です。コンテンツ更新とは、新規の記事を公開することと、過去の記事をリライトすることを指します。公開した記事は、目安として3〜6ヵ月後にリライトし、情報更新を行いましょう。定期的なリライトにより、Googleに質の高いコンテンツだと認識されやすくなり、上位表示の可能性が高くなります。

SNS運用

気軽に始められるSNSは、取り入れやすい集客方法のひとつです。アカウント開設費用や運用費用もかからないため、コストをかけずにお店の情報を配信できるのが最大のメリットでしょう。

飲食店の集客におすすめのSNSは、以下の4つです。

  • Instagram
  • Facebook
  • X(旧 Twitter)
  • LINE公式アカウント

InstagramやFacebookは視覚的アプローチに有効なツールで、画像や動画を手軽に掲載できるのが魅力です。ビジネスアカウントにしておくことでインサイト機能の活用ができるため、投稿内容やフォロワーの分析ができます。使い分ける際には、顧客層が30代以上の場合や、ビジネス目的での利用者増を狙いたい場合にはFacebookに注力するのがおすすめです。

X(旧 Twitter)は、拡散力が魅力です。記載できる文字数が全角で140文字以内のため、キャンペーンなどのお得情報や新メニュー発売など、端的に内容を告知するのに向いています。LINE公式アカウントは、リピーターの育成に最適な集客方法のひとつです。LINEは幅広い年齢層が利用しているツールのため、SNSを活用していない世代への集客にもよいでしょう。

SNSは手軽なうえに大きなコストもかけずに運用できますが、短期的な集客効果は得られにくいため、長期的にコツコツ運用を続けることが大切です。

プレスリリースの配信

プレスリリースの配信は、店舗のコンセプトや強みを多くの方に知ってもらえるきっかけづくりとしても有効です。潜在顧客の認知のきっかけになりやすいため、新規顧客を増やしたいお店におすすめの集客方法のひとつです。

期間限定メニューやイベントの案内、新メニューの提案など、配信内容によっては既存顧客や休眠顧客の掘り起こしにもつながるでしょう。また、プレスリリースの配信がきっかけでメディアに取り上げられれば、競合店舗との差別化につなげることもできます。

集客を増やすために有効なプレスリリースは、お店の基本的な情報を過不足なく記載することはもちろんですが、話題性や季節性などのニュースバリューが盛り込まれていることも大切です。さらに、お店のコンセプトやオープンに至るまでのストーリーなど、顧客の共感や関心をひく内容を記載するのもよいでしょう。

メールマガジン

メールマガジンは、既存顧客のリピート率を上げるのに有効な集客方法のひとつです。配信者がお知らせしたい内容を直接顧客に届けられるうえ、配信先のセグメントもできるため、顧客の属性や来店頻度などに合わせて配信内容を変えられるのも魅力でしょう。

メールマガジンは、定期配信することで顧客の囲い込みにもつながりやすくなるため、配信漏れを防げるステップメール機能の活用もおすすめです。ステップメール機能は、メールマガジン登録後から定期的なタイミングでメールを自動配信するシステムです。定期的に配信することで、顧客がお店のことを忘れてしまうのを防ぎ、継続的な集客につなげることが目的でもあります。

メールマガジンが有効な客層は、ビジネスでの利用頻度が高い顧客や、SNSをあまり利用していない年齢層の顧客です。特に若年層の顧客はSNSなどの利用率のほうが高いため、メールマガジンの登録案内よりも、SNSのフォローやLINE公式アカウントへの登録・連携案内を優先するほうがよい場合もあるでしょう。

MEO対策

MEO対策とは、Google MapsやGoogleマイビジネスでの検索結果において、お店情報を上位表示させるための対策です。検索エンジンや地図エンジンを最適化しておくことで、オーガニック検索結果で自店舗の情報が上位表示されやすくなるため、新規顧客への認知につながる可能性が高くなります。

検索結果で上位表示させるには、Googleビジネスプロフィールへの登録内容を充実させることが大切です。住所・電話番号・お店のカテゴリや属性だけでなく、営業時間や予約機能の活用、メニューなど、検索した顧客が知りたい情報を網羅して掲載することで集客につながりやすくなります。

さらに、掲載される口コミへの返信も大切です。口コミへの返信は、口コミした本人だけでなく、口コミを閲覧しているユーザーも参考にしています。ネガティブな内容の口コミであっても真摯に対応する姿勢によって、かえってお店への信頼性を高めることにもつながるでしょう。

飲食店が実施したいオフラインでの集客方法5選

オフラインでの集客方法は、対象顧客にお店の情報を直接届けられる方法が多いのがメリットです。一方で、幅広い顧客に一斉にアプローチするのは難しいため、適宜オンライン集客方法と組み合わせながら活用するのがおすすめです。ここでは、飲食店におすすめのオフライン集客方法を5つ紹介します。ぜひチェックしてみてください。

チラシ配布

チラシ配布は、店舗近隣エリアに住んでいる方や働いている方への認知拡大につなげる際に有効な手段のひとつです。

チラシを作成する際には、以下の内容を盛り込むことで集客につなげやすくなるでしょう。

  • お店の特徴が一目でわかるデザインを意識する
  • クーポンなどの来店動機促進になる特典をつける
  • 公式ホームページやSNSと連動させる

チラシは、じっくり見てもらうことが難しいため、一目でお店の特徴がわかるデザインやキャッチコピーにすることが大切です。おすすめのメニューをわかりやすく記載したり、チラシ全体に店内写真を大きく掲載したりするのもよいでしょう。お店のおすすめポイントが明確になっていることで、対象顧客の来店につながりやすくなります。

来店の即効性が見込めるのも、チラシ配布のメリットです。オープン告知や新メニュー紹介と合わせて、クーポンなどの特典をつけることで来店動機につながる可能性が高くなるでしょう。

看板・のぼりの設置

看板やのぼりを設置することで、設置場所付近を通る人にお店の存在を知らせることができます。

のぼりは、通行人に店舗の存在や特徴を認識してもらうことに有効です。例えばランチ営業を新たに始めた場合、「ランチ」と記載したのぼりを設置することで、ランチの提供に気付いてもらうことができるでしょう。看板にはさまざまな種類がありますが、飲食店におすすめの看板はおもに以下のとおりです。

  • 壁面看板
  • ファサード看板(正面看板)
  • スタンド看板
  • 袖看板

店舗の壁面に取り付けられる壁面看板や正面入口上に設置するファサード看板は、文字自体やロゴデザインなどを自由に表現できます。お店の雰囲気やブランド性に対する視認性を高められるのが特徴です。

スタンド看板は、スタンド式の移動可能な看板です。黒板タイプなども多く、手書きで表記できるものも多いため、その日のおすすめメニューや限定メニューなどの表記に活用するのがよいでしょう。専門業者による設置の必要がないうえ、手軽に取り入れられる看板でもあります。

壁面から突き出している袖看板は、目線より高い位置に設置することが多いため、見つけやすいのがメリットです。特に飲食店が多い場所に出店している場合は袖看板を設置しておくことで、お店が見つからないなどの機会ロスを防ぐこともできます。

ダイレクトメール送付

ダイレクトメールは、既存顧客やリピーターに送付することで再来店促進に有効な集客方法です。また、一定期間以上来店がない休眠顧客の掘り起こしにも有効な手段のひとつといえます。

ダイレクトメールには、限定コースの優先予約や割引など、限定的な特典を付与しておくとさらによいでしょう。送付した顧客に特別感を抱いてもらい、リピート率の向上や来店動機を促すのが狙いです。ダイレクトメールで付与する特典内容は、事前にお店全体で詳細を決めておくと速やかな案内につながります。

また、ダイレクトメール内に「あと◯回の来店で限定◯◯メニュー一品サービス」などと次回受けられる予定の特典についても記載しておくことで、継続的な来店動機をつくるきっかけづくりも可能です。

ダイレクトメールに記載する文章は、お店のコンセプトから逸脱しない範囲内で親しみのある文章にすることで、顧客が親近感を持ちやすくなります。さらに、直接やり取りしたエピソードなども加えると、特別感を覚えてもらいやすくなるでしょう。

無料イベントを開催

潜在顧客から顕在顧客まで、幅広い顧客層の集客につなげる方法として無料イベントの開催があります。

イベントを企画する際には、来店につなげたい顧客層を絞り込み、顧客層に合ったイベント内容にすることが大切です。

例えば新店舗オープン時であれば、狙った層を新規顧客につなげられるよう無料のプレオープンイベントを開催するのもよいでしょう。店内の雰囲気を感じ、実際に料理を試食してもらうことで、見込み客につなげるきっかけづくりになります。

既存顧客には、新メニューの提供開始前に、特別に試食会イベントを開催するのも良いでしょう。既存顧客に絞り込んで招待することで、特別感を抱いてもらえるうえ、客同士のコミュニティができれば来店頻度を上げるきっかけにもなります。

イベント開催時には、後々ご案内や特典を送れるよう、メールアドレスやLINE公式アカウントのフォローなどの案内も大切です。既存顧客に向けたイベントは、顧客との関係性をさらに築くためのきっかけづくりと考えましょう。

リピーターからの紹介や口コミ

継続的に利用があるリピーターは、お店の料理や雰囲気などに満足していることが多いため、良い口コミなどを拡散する可能性が高くなります。さらに、仕事の接待で利用したり、友人や知人を連れて来店したりすることもあるでしょう。

リピーターの口コミやSNSでの情報発信には信頼性の高さを感じる人も多く、SNSや口コミを見た潜在顧客が来店するきっかけにもなり得ます。さらに、リピーターからの紹介客は、初めて訪れるお店でも抵抗感を覚えない傾向が高いため、リピーターにつながる可能性も高くなるでしょう。

新規顧客を獲得したい場合は、リピーターの人数が増えてきたタイミングなどでお友達紹介キャンペーンなどを企画するのもおすすめです。集客施策の一環として有効なだけでなく、リピーターの連れてくる顧客はお店の対象としたい顧客層に近い場合も多いため、質の高い新規顧客につながるメリットもあります。

飲食店の集客成功事例3選

飲食店における集客アップを成功させるには、イベントやメニューなどの新規性に加え、お店のこだわりや顧客への課題解決性の高さもポイントになります。ここでは、期間限定イベントやこだわりの食材を使用したメニューをフックに集客に成功した事例を3つ紹介します。それぞれの成功ポイントを比較し、自社の集客に活かしてみてはいかがでしょうか。

事例1.株式会社スープストックトーキョー

株式会社スープストックトーキョーでは、2024年6月21日からの2日間、外食店舗を中心に、スープ専門店がカレー専門店に変身する夏のお祭り「Curry Stock Tokyo」を開催。

当イベントでは、「スープ専門店による本気のカレー」と題し、当期間内ではグランドメニューであるスープメニューは一切販売しないという、新規性の高いアイデアも特徴です。

さらに、本格的なカレーメニューの提供に加え、2種類のお好みのカレーをセットにできる革新性のあるメニューも魅力です。気になるカレーを2種類味わえるというお得感と話題性がポイントの事例といえます。

また、同社の対象顧客でもある子ども連れ客の需要にも応えられる、「7種類の野菜の辛くないマイルドカレー」も提供。対象顧客の需要やニーズにもしっかり応えたメニューづくりと、新規性の高いイベント内容が多くの集客につながった好事例です。

参考:2024年6月21日(金)、22日(土)、Soup Stock Tokyoから“スープ”がなくなります。カレーを楽しむ2日限りの夏のお祭り「Curry Stock Tokyo」開催。

事例2.株式会社アンド・フォース

株式会社アンド・フォースのプライベートブランドでもある、カレーパン専門店「もとむのカレーパン」は、2020年10月21日(水)からの6日間、新潟伊勢丹で開催された「日本のおいしいもの展」に出展しました。同店は、伊勢丹新宿店で行われた「ISETANカレーフェス2020」においても、7日間で2000本の販売に成功した事例を持っています。

同店は、A5ランクの黒毛和牛を使用し、軽い食感が特徴のこだわり抜いたカレーパンを販売しているのが特徴です。お店のこだわりがメニューを通して感じられるのも、対象顧客の興味や関心をひく要因のひとつといえるでしょう。さらに、前回のイベントでの成功事例を活かし、期間限定イベントにおいても「焼きたて」と「冷凍」の2種類を用意。温かいカレーパンを家でも食べたいという顧客のニーズに応えた販売方法も、集客成功のポイントといえます。

参考:「ISETAN カレーフェス 2020」にて開催期間わずか7日間で2,000本完売のもとむのカレーパンが新潟伊勢丹で開催の「日本のおいしいもの展」にて新潟初上陸!

事例3.ロネテテ

西洋料理店ロネテテでは、オーナーシェフのこだわり食材を使用した期間限定メニューをフックにした集客施策を実施。「2年熟成のメークイン」という珍しい食材を使用し、食に興味や関心が高い既存顧客のニーズや需要を反映したメニューづくりが成功のポイントといえるでしょう。また、食材の使用範囲を広げ、クリスマスディナーコースでも提供することで、既存顧客だけでなく、新規顧客獲得に向けた施策の実施にもバランスよく取り入れています。

さらに、同店のプレスリリースを見た顧客を対象にグラスのスパークリングワインプレゼントという特典も付与。顧客の来店動機づくりと、既存顧客の再来店につながるニュース性がバランスよく実施されている集客事例です。

参考:惚れた食材“2年熟成!とろりと甘いメークィン“が冬仕立てに。多摩川駅より徒歩5分西洋料理店 『La Hönnêtêté/ロネテテ』素材の魅力を活かした冬メニューを11月下旬より提供開始

まとめ:対象顧客のニーズを満たす集客施策を検討し集客につなげよう

飲食店が集客を増やすためには、対象顧客の需要やニーズを満たすメニュー企画やイベントなどの施策実施がポイントです。施策実施の際には、面白みのあるアイデアや要素を加えることで競合との差別化を図れ、新規顧客の興味をひきやすくなります。

集客方法も、獲得したい顧客層に合った方法をバランスよく取り入れることが大切です。オンライン集客やオフライン集客に偏らず、どちらもバランスよく実施することで、それぞれの強みを活かし、集客の最大化を図れるでしょう。

成功事例なども参考にしながら、お店のコンセプトに合った施策内容を検討することが大切です。

]]>
https://prtimes.jp/magazine/restaurant-attract-customers/feed/ 0
旅館の集客を成功させる10個の手法・アイデア|知っておきたいポイントなどを徹底解説 https://prtimes.jp/magazine/inn-attract-customers/ https://prtimes.jp/magazine/inn-attract-customers/#respond Fri, 30 Aug 2024 03:00:00 +0000 https://prtimes.jp/magazine/?p=47932 さまざまな集客対策に取り組んでいるものの、なかなか集客につながらないという担当者からの声をよく耳にします。旅館の集客を増やすためには、適切な集客戦略の立案と、集客アップに効果的な手法を取り入れながら進めていくことが大切です。また、旅館が自ら集客施策を実施していくことも、一定の集客力を維持するために重要なポイントといえるでしょう。

本記事では、集客戦略立案の際に大切なポイントや、具体的な集客アイデアや手法についても紹介します。集客に悩んでいる担当者は参考にしてみてください。

旅館が自ら集客を実施することが重要な理由

近年、利用客のリテラシーが向上し、宿泊施設の選び方が多様化しています。以前は大手旅行情報サイトへの掲載である程度の集客が見込めましたが、利用客側の旅館の選び方が多様化し、複数のツールから情報を得る利用客が増えました。そのため、旅行情報サイトへの掲載だけでは集客につながりにくいのが現状です。

近年の顧客動向を考えると、ホームページやSNSだけにとどまらず、幅広い媒体やツールを駆使して顧客とのタッチポイントを増やす必要があります。しかし、ただタッチポイントを増やすだけでは、狙った顧客層を集客につなげるのは少し難しいでしょう。

狙った顧客層を集客に導くには、既存顧客や潜在顧客の需要を分析し、対象顧客のニーズや需要に寄り添ったプランの立案と、適切な集客方法を検討することが重要です。同時に、新規顧客の獲得も進める必要があります。新規顧客が自社ホームページやSNSをフォローしている可能性は低いため、認知してもらう機会をつくれるよう、プレスリリースの配信も検討しましょう。

既存顧客に向けた集客方法は、自社ホームページのコンテンツを充実させることや、SNSでの定期的な情報配信などが有効です。さらに、LINE公式アカウントなどのセグメント配信を活用したリピート特典なども効果的でしょう。

旅館が集客戦略を立案するときの5つのポイント

ここでは、旅館が集客戦略を立案する際に重要な5つのポイントについて解説します。自社の課題や強みを整理したうえで企画・立案をすることで、顧客の特性に合ったプランを検討することにつながります。さっそくチェックしてみましょう。

ポイント

ポイント1.集客目標を立てる

効果的な集客戦略立案のためには、具体的な集客目標を立てることが大切です。具体性のある目標であるほど綿密な戦略を立てやすくなるうえ、目標達成に向けての課題検討もスムーズに進むでしょう。

目標設定の際には、旅館が抱える集客課題を考慮し、月間目標や年間目標など、設定期間を区切って立てるのもおすすめです。

目標は、できるだけ現状の集客課題を数値化したものにしましょう。例えば、新規顧客はしっかり取れているもののリピートにつながっていない場合は、「年間のリピート率を◯%にする」というのが目標になるでしょう。あるいは、利用客数はある程度取れているものの収益化できていなければ、利用単価が要因と考えられるため「年間の平均利用単価を◯円にする」なども目標にする必要があります。

年間を通しての目標設定が終わったら、シーズンごとや月間ごとの目標も別途設定することで、さらに達成に向けて取り組みやすくなるでしょう。

ポイント2.集客目標に対する課題を洗い出す

集客目標の達成に向けて、まずは現状の課題を洗い出す必要があります。課題を洗い出す際には、以下のポイントを考慮することで、課題が明確化しやすくなります。

  • 各顧客層ごとの利用率や利用単価など、詳細データの洗い出し
  • 集客課題となる顧客層の明確化
  • 集客課題の要因検討

まず、現在の旅館の集客課題として、どの顧客層へのアプローチを強化すべきかの検討が必要です。宿泊者データを集計し、新規顧客の割合や既存顧客の宿泊頻度などを集計していくと、各顧客層ごとの利用率や利用単価などが可視化されます。顧客の詳細データが可視化されると、どの顧客層に課題があるのかが明確になるでしょう。

次に、集客課題の要因を検討します。課題要因には、提供しているプランなどのサービス的な要因や立地などの環境的要因、競合との差別化ができていないなど、多角的な視点で探る必要があります。課題の要因を探るには、利用客に対するアンケート調査や競合の新規プランの成功事例なども参考になるでしょう。

ここで検討した課題をもとに、新規プランの企画やサービス内容の改善など、具体的な集客戦略に落とし込んでいきます。

ポイント3.自社の強みを明確にする

集客戦略の効果を高めるためには、自社の強みを棚卸しし、言語化しておくことが大切です。自社ならではの強みやこだわりポイントを見いだしておくことで、顧客層に合った宿泊プランの企画や広報PR活動につなげられます。

独自性は、旅館によって異なります。例えば、有名な料亭出身の料理人がつくる懐石料理や、創業数百年の歴史的建物を活かした旅館施設など、旅館の推しとなるポイントをひとつでも多く言語化しておきましょう。

旅館の強みを整理する際には、競合にはない独自のポイントを見いだすことも大切です。独自性の高い強みほど競合との差別化が図れますし、効果的な広報PR活動につなげやすくなるメリットがあります。

自社の強みやこだわりは、旅館のコンセプトに沿った内容であることも重要です。コンセプトとズレたポイントを打ち出してしまうと、狙いとは違う客層が増える懸念もあるため、注意しましょう。

ポイント4.対象顧客の需要を理解する

集客施策を立案するにあたり、対象顧客の需要を正しく理解することが重要です。顧客の需要を理解する有効な方法としては、利用者の生の意見や感想に触れられるアンケートがおすすめです。

アンケート作成の際には、以下の項目を入れることで回答の分析に活かしやすくなるため、チェックしておきましょう。

  1. 選んだ理由(フリー回答)
  2. 全体の満足度
  3. プランの満足度
  4. プランの良かった点・改善してほしい点(フリー回答)
  5. 従業員の対応の満足度
  6. 従業員の良かった点・改善してほしい点(フリー回答)
  7. 再訪の意向・可能性

上記の回答内容を集計し分析することで、顧客のニーズや需要が把握しやすくなります。また、回答結果を集計する際には、顧客の属性や必要な項目(年齢・性別・既婚/未婚など)に分けておくことで、顧客層ごとの需要やニーズが可視化しやすくなるでしょう。

プランや従業員の対応、全体の満足度は5段階評価などでスコア化するのがおすすめです。数値の指標は、1が非常に不満足、5が非常に満足など、事前に設定しておき集計しましょう。また、具体的に良かった点や改善点をフリー回答にすることで、満足度スコアでの評価と回答内容を照らし合わせることができます。例えば、「スコアでの満足度が高い顧客は、◯◯プランに対して良かったと感じている方が多い」など、一定の傾向が見られるでしょう。

対象顧客の需要やニーズを理解しておくことで、集客につながる可能性が高いプランやサービスの企画・立案に活かすことができるため、アンケート調査は定期的に実施することをおすすめします。

ポイント5.潜在顧客を顕在顧客に変えるプランを企画する

集客戦略立案の目的のひとつとして、潜在顧客の顕在化と、既存顧客との関係性強化があります。

そもそも旅館における潜在顧客は、自社の旅館をまだ認知していない状態の顧客です。潜在層は、認知のきっかけを与えることで顕在化する可能性がある顧客でもあるため、的確なアプローチによって顕在顧客になる可能性があります。顕在顧客は、旅館への認知がありプランやサービスに対して関心を持っている顧客で、既存顧客は、実際に利用経験がある顧客を指します。

旅館が長期的に一定の集約力を持ち続けるためには、各顧客層に合う集客施策を継続的に行っていく必要があります。

既存顧客に対しては、関係維持を図るとともに、さらに強い関係性の構築が大切です。定期的な手書きDMの送付やメールマガジン、LINE公式アカウントからの限定クーポン発行など、特別感を抱いてもらえる施策が効果的でしょう。

潜在顧客に対しては、需要やニーズを満たすプランの提案や、興味をひきつけるアプローチをし、顕在化させるきっかけづくりに注力しましょう。潜在顧客のニーズを知るには、日常的に競合の成功事例などを分析しておくこともおすすめです。また、旅館に対する口コミなどにも真摯に対応し、企業の顧客への誠実な姿勢を見せ続けることも、潜在顧客へのアプローチのひとつになります。

潜在顧客には、プレスリリースの配信も効果的です。以下の記事は、成長を続ける老舗旅館が、プレスリリースの配信をきっかけにさらに注目を集めた成功事例です。プレスリリースの配信を検討している場合は、ぜひ参考にしてみてください。

旅館の集客施策で実施したい10個の具体的な手法・アイデア

旅館の集客施策を実施し効果を上げるには、ひとつの手法だけに頼らず、複数の手法やアイデアなどを同時に行うことが大切です。ここでは、旅館の集客施策の実施におすすめの具体的な手法やアイデアについて紹介します。

アイデア

1.自社ホームページの適切な運用

自社のホームページは、旅行情報サイトやSNSだけでは伝えきれない旅館の魅力をアピールできるメリットがあります。興味や関心をひきやすいコンテンツにするには、デザインや掲載写真を季節やイベントごとに変えたり、顧客層が興味をひくコンテンツ内容を定期的に更新したりするとよいでしょう。ホームページを適切に運用することで、既存顧客のリピート率向上や、顕在顧客の利用のきっかけづくりにも期待できます。

また同時に、SEO対策もしっかり行うことが大切です。適切なSEO対策を継続し続けることで、Yahoo!やGoogleなどの検索エンジン上で上位表示される可能性が高くなり、集客増加が見込めます。SEO対策は大きなコストをかけずに行える集客対策のひとつでもあるため、自社のホームページ運用の際には、コンテンツを充実させると同時にSEO対策にも取り組みましょう。

2.プル型SNS(Instagram・Facebook・X)の活用

SNSを活用することで、旅館の魅力だけでなく、キャンペーン情報や空室情報などのリアルタイムな情報まで、あらゆる内容を自由に公開できます。SNS運用で大切なのは、各SNSツールの特徴を理解して活用することです。

X(旧 Twitter)は、拡散力が高いのが大きなメリットです。ただし、文字数制限があるため、端的な内容をこまめに発信するのに向いています。旅館がXを運用する場合には、最新の空室案内や周辺観光地の見どころなど、フォロワーがリアルタイムで確認できるとうれしい情報を配信するのがよいでしょう。

InstagramやFacebookは、こだわりの動画や画像を簡単に発信できるため、視覚的効果が高いツールです。旅館の雰囲気や風景など、推しとなるポイントを動画や写真で配信するのがおすすめです。特にFacebookは、利用者の年齢層が30〜40代が中心のため、対象としたい顧客の年齢層がマッチしていれば積極的に活用しましょう。

SNSは「プル型」と「プッシュ型」に分類され、Instagram・Facebook・Xは「プル型」になります。プル型のSNSは、ユーザーが興味や関心のあるアカウントの情報を能動的に検索する特徴があるため、アカウントや情報をユーザーに認知してもらう施策の検討も必要です。

3.プッシュ型SNS(LINE公式アカウント)の活用

LINE公式アカウントは、リアルタイムな情報配信と開封率の高さが魅力のツールです。さらに、LINEは幅広い世代で登録されているため、SNSの利用率が低い世代へのアプローチにも有効な手段ともいえます。

LINE公式アカウントは「プッシュ型」のSNSになります。プッシュ型SNSは、受動的なユーザーに直接情報を届けられるのがメリットです。

セグメント配信もできるため、既存顧客や新規顧客など、顧客層に合わせた訴求ができます。例えば、登録しているもののまだ宿泊したことのない潜在顧客や新規顧客に対しては、宿泊代がお得になるクーポンを配布することも有効でしょう。

さらに、リッチメニュー上に宿泊予約メニューの設定もできるため、自社予約サイトに導線がつくれるのも魅力です。LINE公式アカウントから宿泊予約した場合、宿泊前日のリマインドメッセージや、チェックアウト後に感謝のメッセージを送ることもできるため、顧客との関係性を構築しやすいツールでもあります。

4.プレスリリースの配信

プレスリリースの配信は、旅館の特徴や強みを多くの人に認知してもらうきっかけづくりになります。特に、自社のホームページやSNSに訪問する機会のない潜在顧客へのアプローチができる貴重な手段でもあるため、積極的に活用することが大切です。また、プレスリリースの配信は広い層に読んでもらえるため、新規顧客開拓の機会にもなり得るでしょう。

さらに、プレスリリースの配信は、雑誌への広告掲載やインフルエンサー起用などと比較すると、大きくコストが抑えられるのも魅力です。

旅館のプレスリリースを作成する際には、顧客目線・自社目線・社会目線を意識することが大切です。客室内や食事のイメージ写真なども掲載することで、視覚的効果も得られるでしょう。

以下の記事では、集客を増やしたい旅館の担当者向けに、プレスリリース配信のメリットやプレスリリースに盛り込みたい内容などが詳しく書かれています。旅館の集客施策としてプレスリリースの配信を検討している場合は参考にしてみてください。

5.支払い方法の選択肢を増やす

支払い方法の選択肢を増やすと、利用客だけでなく旅館側にとってもメリットが多くなります。近年では、キャッシュレス決済をメインの支払い方法にする人も増えています。クレジットカードだけでなく、QRコード決済や電子マネー決済などの幅広い選択肢を用意しておくことで、会計時間が短縮され、フロントの混雑緩和にもつながるでしょう。

キャッシュレス導入により、事前に宿泊料金を決済することもできるため、キャッシュレス派の顧客にとって利便性の高い旅館になります。

さらに近年では、インバウンド集客の割合も高く、観光地付近の旅館に宿泊する外国人観光客が増えています。外国人観光客は現金以外での支払い方法を選択する割合が高いため、インバウンド集客も増やしたい旅館では、キャッシュレス導入を進めることで機会損失を防ぐことができるでしょう。

6.公式プロモーションビデオの作成

公式プロモーションビデオがあることで、旅館内の施設や周辺の雰囲気を事前に利用客に伝えることができます。初めて旅館を訪れる新規顧客の安心感にもつながるため、公式ホームページ内やSNSなどに固定表示し、利用客がいつでもチェックできるようにしておくとよいでしょう。

プロモーションビデオを作成する際には、専用のカメラ機材などを購入する必要はありません。スマートフォンカメラやデジタルカメラで十分です。撮影する際には、以下の内容を盛り込むことで旅行のイメージがしやすくなるでしょう。

  • 旅館の内装や外観
  • 旅館の従業員の雰囲気
  • 周辺施設の雰囲気やアクセスしやすい観光地の紹介
  • 最寄り駅やバス停からの道のりなど

旅館内の施設や外観を撮影するのはもちろんですが、可能であれば、旅館で働く従業員の雰囲気も撮影しましょう。旅館を訪れる際には、館内の雰囲気と同じくらいに従業員の雰囲気も大切なポイントといえます。また、おすすめの周辺施設や近隣の観光スポット紹介を加えるとさらに親切でしょう。公共の交通機関を利用する宿泊者のため、最寄り駅やバス停からの道のりを撮影しておくのもおすすめです。

また、公式YouTubeチャンネルを開設し、撮影したプロモーションビデオを掲載するのもよいでしょう。チャンネルにもプロモーション動画を掲載しておくことで、新規顧客の認知につなげる機会にもなるでしょう。

7.MEO対策

MEO対策とは、Google MapsやGoogleマイビジネスでの検索結果で旅館情報を上位表示させるための対策です。

検索エンジンや地図エンジンを最適化することで、オーガニック検索結果の表示よりも自社の旅館の情報が上位表示されやすくなることもメリットでしょう。さらに、自社ホームページに直接誘導できるため、自社の集客力向上につながるのも魅力です。

MEO対策を実施するには、Googleが提供する無料のビジネスリスティングサービスであるGoogleマイビジネスへの登録が必要です。登録にはGoogleアカウントが必要なため、旅館専用のアカウントを新規で作成しておくとよいでしょう。

登録する際には、旅館の基本情報の設定を充実させることも大切です。駐車場情報や子ども連れ向け情報、大浴場の有無など、顧客が旅館を探す際に知りたい情報はすべて記載しておきましょう。また、利用客からの口コミに積極的に返信することも大切です。口コミへの返信は顧客との重要なコミュニケーションであり、リピーターにつながるきっかけにもなり得ます。否定的なコメントにも真摯に対応する姿勢を見せることで、潜在顧客からの信頼にもつながるでしょう。

8.広告運用

集客施策として広告運用がおすすめです。広告には、リスティング広告やディスプレイ広告をはじめとする「Web広告」や、InstagramやXなどのSNSプラットフォームに配信する「SNS広告」などさまざまな種類があります。

旅館の集客を上げるのにおすすめの広告は、Web広告やSNS広告です。旅館を探す人の多くは、インターネット検索やSNSなどから情報を得ます。そのため、旅館の利用者が活用しやすいWebやSNSに広告配信することで、集客力が増える可能性が高くなります。

Web広告は、雑誌広告などのオフライン広告よりもコストがかかりにくいことや、効果測定ができる点もメリットです。さらに、対象者を絞ったセグメント配信も可能なため、有効な集客施策ともいえます。

また、最近では、Web広告のひとつであるGoogleホテル広告を活用する宿泊施設が増えてきています。利用のメリットは、自社予約サイトへ直接誘導できる導線づくりができることと、費用体系が選択できることです。自社サイト経由の予約率が低い旅館におすすめの広告のひとつです。

9.OTA(Online Travel Agent)への登録

旅行情報サイトと呼ばれる、インターネット上で宿泊施設の検索や予約を行う旅行会社のことをOTA(Online Travel Agent)といいます。

OTAは、利用者の母数が多いため、掲載するだけで多くの利用者の目に触れる機会になります。新規顧客への認知度拡大や販路拡大につながるため、予約率向上が見込めるのがメリットです。

ただし、OTAは多くの競合も多数登録し利用しているため、情報が埋もれやすい懸念もあります。OTAに登録する際には、以下の点に注意することで利用者の目にとまりやすくなります。

  • 掲載写真や施設情報を充実させる
  • 対象顧客のニーズを意識した宿泊プランを増やす
  • 口コミやレビューには積極的に対応する

旅行情報サイトのユーザーは、多くの旅館と比較検討するため、旅館の雰囲気がサイト上でしっかり伝わるよう、掲載写真の数やクオリティにこだわりましょう。旅館情報に関して問い合わせをしなくても済むよう、可能な限り多くの施設情報を掲載することも大切です。

さらに、狙う顧客層のニーズにマッチした宿泊プランが豊富にあることも、予約率向上につながります。カップルや夫婦での利用が見込める旅館であれば、アニバーサリープランを企画するのもよいでしょう。家族連れが多い旅館の場合は、近隣のレジャー施設と連携し、入園料込みのパックプランを企画するのもおすすめです。

また、OTAに掲載される自社の旅館への口コミやレビューには、積極的に対応することが大切です。ネガティブな口コミにもしっかり対応している旅館は、ホスピタリティがある旅館だという印象につながることもあります。

10.レベニューマネジメント

旅館におけるレベニューマネジメントとは、需要の増減に応じてプランや客室の価格などを適宜調整し、利用率を向上させ収益化を図ることです。リピート客限定で実施する「リピート特典」などもレベニューマネジメントの一環といえます。

レベニューマネジメントがもたらすメリットは、主に3つあると考えられています。

  • 競合する宿泊施設との差別化
  • 収益性の最適化
  • 顧客満足度の向上

顧客は、料金やサービス内容などを比較して宿泊施設を選ぶ傾向にあります。適切なレベニューマネジメントにより料金設定やプランの見直しを行うことで、競合との差別化や収益の最適化につながるでしょう。結果的に顧客満足度も向上しやすくなり、潜在顧客の顕在化やリピーター増加なども期待できます。

旅館の強みを活かしたプランを増やし適切な集客施策を練ろう

旅館の集客を増やすには、旅館の強みを活かし、対象顧客のニーズに合ったプランを企画・立案していく必要があります。さらに、集客目標に沿った施策を検討していくことも大切です。

既存顧客や潜在顧客へのアプローチとなる自社ホームページやSNSだけでなく、新規顧客への認知拡大のきっかけづくりとしてプレスリリースの配信なども行いましょう。各顧客層に対してバランス良く集客施策を実行することで、継続的な集客につなげることができます。

]]>
https://prtimes.jp/magazine/inn-attract-customers/feed/ 0
メディア編集長2名が語る。信頼を築くプレスリリースとブランド価値向上につなげる秘訣|株式会社インプレス https://prtimes.jp/magazine/impress-interview/ https://prtimes.jp/magazine/impress-interview/#respond Fri, 30 Aug 2024 02:40:00 +0000 https://prtimes.jp/magazine/?p=47942 プレスリリース配信サービス「PR TIMES」を運営する株式会社PR TIMESは、8月9日にユーザー会を開催。ニュースサイト『グルメ Watch』『トラベル Watch』の編集長の湯野康隆さんと、メディアサイト『Web担当者Forum』の編集長の四谷志穂さんにご登壇いただき、「プレスリリースがニュースになるまでを徹底解説」をテーマにお話いただきました。

本記事では、セミナーレポート「メディア編集長が解説。取り上げたくなるプレスリリースの条件とは」に続き、お二人に追加インタビューした内容をお届けします。

株式会社インプレス『トラベル Watch』編集長 兼 『グルメ Watch』編集長

湯野 康隆(Yuno Yasutaka)

1995年、大学在籍中にインプレスにアルバイトとして入社。「INTERNET Watch」創刊に立ち会い、2000年に「ケータイ Watch」創刊に携わる。2019年から「トラベル Watch」を担当し、2021年に「グルメ Watch」を創刊。Watchシリーズの中では通電していない2ジャンルを担当しているが、ARグラスなどの最先端テクノロジーが大好物。趣味はレーシングカートだが、グルメ Watchを立ち上げてから10kg太り、ウエイトハンデに悩む今日この頃。

株式会社インプレス『Web担当者Forum』編集長

四谷 志穂(Yotsuya shiho)

大学卒業後、物流企業で営業兼Web担当者を経験。コーポレートサイトのリニューアルやデジタル広告の運用、倉庫の営業に携わる。2013年にインプレスに入社し、Web担当者Forumの編集者となり2018年から現職。歴史とサッカーと運動とビールが好き。

トレンドや世間の関心ごとを重視し情報を検索

──四谷さんにお伺いします。プレスリリースからニュースを探されるとのことでしたが、ニュースを探す際にどのようなキーワードやタグで検索していますか。あらためて教えてください。

四谷さん(以下敬称略)/『Web担当者Forum』:デイリーニュースの選定作業では、「マーケティング」「広告」「SNS」「SEO」「アクセス解析」「データ分析」など『Web担当者Forum』のグローバルナビゲーションに表示されているキーワードで検索をすることが多いです。防災の日や引越しの時期など、季節ごとのキーワードはある程度意識しているものの、ニュースを探す際には季節性よりもトレンドのほうを重視しています。

ピックアップする本数が3~6本と決まっているので、検索結果の上から順番にその日のプレスリリースを見ていきます。

──湯野さんは、プレスリリース以外にどのような方法でニュースを探されていますか。

湯野さん(以下敬称略)/『トラベル Watch』『グルメ Watch』:世の中の関心に重なりがあるものを優先的に取り上げていきたいと思っているので、X(旧 Twitter)のトレンドなどで何が話題になっているのかを見たり、テレビのニュースやワイドショーなどをチェックしたり、幅広いです。また、特定のキーワードを検索するというよりは、ほかのメディアやSNSで話題になっているものを深掘りするように気になるものを検索しています。

それとは別に中長期的に気になるキーワードは、Googleアラートを利用して、都度新しい情報をメールで受け取れるようにしています。例えば、数年前のコロナ禍では、「全国旅行支援」というキーワードを一定期間フォローしていましたね。

──プレスリリースを作成する際には、トレンドになるキーワードの設定は必須ということですね。

湯野/『トラベル Watch』『グルメ Watch』:断然あったほうがいいですね。私はメールでもキーワードによって自動的にラベル分けがされる設定をしているので、トレンドになるキーワードが入っているほうが関心のある人の目に留まりやすくなると思います。

広報PR活動にメディア特性の理解は大前提

──企業からのプレスリリースや企画書を毎日数多く受け取られていると思います。セミナーでは「目に留まらないプレスリリースのタイトル」についてお伺いしましたが、反対に目に留まりやすいポイントなどあればお聞きしたいです。

四谷/『Web担当者Forum』:メディアの特性をきちんと理解してプレスリリースや企画書を送ってくださる企業の広報PR担当者はその企画の精度がとても高い印象です。継続的に注目して取り上げさせていただくこともありますね。

反対に、こちらの特徴を考えずに手当たり次第送られているようなものに関しては、あえて避けるようにしています。例えば、私たちのメディア『Web担当者Forum』にグルメの企画書やプレスリリースが送られてきても取り上げることはないですよね。こちらの反応も関係なしに、無関係なプレスリリースを送り続けられると、印象が悪くなってしまうこともあります。プレスリリースや企画書を送る際には、「メディアの特性を理解する」のは大前提ではないでしょうか。

湯野/『トラベル Watch』『グルメ Watch』:確かに、メディアの特性を見ずに声をかけられることや、必ずしもこちらがほしい情報ではないパターンも多々ありますね。

私には、商品のパッケージリニューアルのプレスリリースが多数届くのですが、中身はほとんど変わっていないことが多く、ニュースになりにくいんです。もちろん、企業も何かを伝えたくて情報を発信していると思うので、「伝えたい本質を引き出す」ことを試みる場合もあります。それでも何もなければお断りしますが、ほかに何か変わったことはないのかを尋ねるなどニュース性を見いだそうとすると発見があることも。プレスリリースや企画書の段階でその内容が含まれているといいですね。

──新商品の場合ですと、はじめての「新商品発表」、「発売前」、「発売開始」……どのタイミングで、どのような切り口であれば記事になりやすいのでしょうか。

湯野/『トラベル Watch』『グルメ Watch』:発売日がもっとも盛り上がるタイミングなので、私たちとしては発売日やその前日に記事を掲載するのがベストです。

また、非常に話題性のある商品については、最初にリリースベースで記事を出した後、PVが良ければ発売のタイミングで再度記事化することもありますし、話題性が高く売り切れになるような場合は、後追いで開発者をインタビューすることもありますね。Webメディアの良いところは、リアルタイムで読者の反応を見られる点なので、世の中の反応を見ながら日々どのように記事を作るかを考えています

──お二人から見て、企画の精度が高い広報PR担当者の共通点はありますか。

湯野/『トラベル Watch』『グルメ Watch』:自分たちの会社が外からどう評価されているのか、また反対にどのようにネガティブな反応を持たれているのかをきちんと把握し、自社の課題をきちんと理解できている方ではないでしょうか。広報PRは社内外のさまざまな情報が集まる場所なので、それを自分なりに解釈してどのように外に出していくのか考えなくてはいけません。

また、私たちメディア側に発表前のものの相談をしてくださる広報PR担当者もいますが、こういった相談は日頃のコミュニケーションからの信頼関係のベースがないとなかなか難しいと思います。やはりコミュニケーションを積極的にとって、メディアとの信頼関係を築けるかは、企画の精度にとても影響するのではないでしょうか。

四谷/『Web担当者Forum』:湯野さんのおっしゃる通りで、精度の高い企画を出される広報PR担当の方は、自社のことも顧客のことも良い点だけでなく悪い点もよく理解されていますよね。なおかつ、コミュニケーションを取りながら、どのような情報を提供するとメディアが喜ぶのかも探っていて、「こういう企画はどうですか」「どういうことに興味がありますか」と積極的に質問しながら知ろうとしてくださるんです。こういったやり取りを重ねられている方々が、精度が高い企画を生み出されているように思いますね。

「値上げ時」のプレスリリースはありのままの情報を発信

──話は変わるのですが、この1年は「値上げ」に関するプレスリリースが一気に増えました。メディア側から見て、マイナスなイメージを回避して値上げ時の情報を発信するコツなどあれば教えていただきたいです。

湯野/『トラベル Watch』『グルメ Watch』:私は値上げが必ずしも悪いことだとは思っていません。生活者のみなさんも円安や紛争など世の中の状況を見て物価が高くなるのは仕方ないと理解されているはずですので、企業も隠さずにありのままの情報を出すのがよいのではないでしょうか。「〇品目〇パーセント値上げ」というぼかした発表をする企業も結構多いんですが、できるだけリアルな数字をそのまま伝えていくほうが説得力があると思います。

また、どこにコストがかかっているのか、何がネックになって値上がりするのかもあわせて発信したほうがよいでしょうね。今後も値上げの傾向は続くと思われるので、企業が価格を維持するためにどのような努力をしているのかを伝え、生活者を説得していく必要があると思います。

四谷/『Web担当者Forum』:エンドユーザーの離反を防ぐ意図があるのであれば、「ここまでは企業努力で価格を抑えてきましたが、これ以上は品質の保証ができなくなるので、どうか価格に転嫁させてほしい」といった説明をするのがよいと思います。

例えば、電気代などの原価がどれだけ上がっているかを具体的に伝えることで、「それなら仕方ない」と理解するでしょう。自分たちのお客さんにどう伝えるのがベストなのかを考え、メディアを通じてメッセージをうまく伝えることで、ポジティブに受け取ってもらえるようにすることも大切なポイントだと思います。

──価格の話でいうと、コストを抑えた低価格帯の商品と付加価値のある高価格帯の商品と二極化している印象がありますが、それぞれどのようなアプローチが必要でしょうか。

湯野/『トラベル Watch』『グルメ Watch』:多くの商品には、プレミアム価格帯、普及価格帯、そしてプライベートブランドのような低価格帯の3つの価格帯が存在しています。その中でもっともボリュームが大きいのは普及価格帯ですが、利益率ではプレミアム価格帯が優れているという構造が多くの業界で見られるんです。

ではこのプレミアムな商品をどのようにして広めるかというと、プレミアムな商品ほどその背後にある製法や生産背景などのストーリーを生活者にしっかりと説明することが大切だと思います。そこを理解してもらうことでブランド価値が創出されますし、その世界観に共感してもらえれば長く愛されるブランドになるはずです。

一方で、低価格の商品でも「なぜ安く提供できているのか」を説明することで、「安いけれど質が高い」と安心されるはずです。ネット社会の今だからこそ、そうした背景をしっかりと見せ、納得して購入してもらうことが求められているのではないでしょうか。

四谷/『Web担当者Forum』:企業向けの場合、個人の嗜好による消費行動とは異なり、会社の中で稟議を通して購入が決定されます。そのため、高価格の商品を選ぶか、低価格の商品を選ぶかには、さまざまな判断プロセスがあるので一概には言えません。企業の場合は、高価格であったとしても「高価格にはそれなりの理由がある」と認識されていることが多いですね。

ツールのコストを下げ、機能が劣ってしまうとその分人件費がかかってしまうため、価格も判断のひとつではありますが、導入による効果や活用シーンの理解を促すことのほうが重要だと思います。また、セキュリティなどのリスクには非常に慎重です。どのような企業、団体と取り引きがあるのか、導入されているのかはひとつの検討材料になるのではないでしょうか。

ですから、ターゲットとなる企業が商品を選ぶ際に何を重視しているのか、その勘所を押さえて情報を発信することが、広報PR担当者としては必要な部分かもしれないですね。

まとめ:信頼とブランド価値を築くための広報PR戦略

『グルメ Watch』『トラベル Watch』編集長の湯野康隆さんと、『Web担当者Forum』編集長の四谷志穂さんによるインタビューをお届けしました。

トレンドや世間の関心を意識した情報発信が不可欠な広報PR活動。プレスリリースや企画書では、メディアの特性を理解し、企業のメッセージを的確に伝えることが求められます。特に、値上げなどの情報を発信する際には、ありのままの事実を正直に伝えることで、生活者の信頼を得ることができるでしょう。また、プレミアム商品や低価格商品においても、それぞれの価値や背景をしっかりと説明し、共感を得るアプローチが重要です。

日々のコミュニケーションを通じて、これらの要素をしっかりと押さえた広報PR活動を行うことで、企業のブランド価値を高めることができるでしょう。

セミナーレポートをご覧になられていない方は、ぜひ合わせてご覧ください。

【関連記事】

]]>
https://prtimes.jp/magazine/impress-interview/feed/ 0